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将棋とミステリー

将棋を題材にしたミステリーについて、ちょっと調べています。藤井聡太棋聖が誕生し、最年少タイトル獲得記録を更新したのが話題になりましたが、別にそれにあやかろうという訳ではありません。将棋は以前からの趣味です。もっとも、指すのは苦手で、もっぱら対局を見る方を楽しんでいました。

将棋のプロ棋士が登場するミステリーは結構たくさんあります。しかし中には、登場人物が棋士である必然性がほとんどないものもあるようです。棋士は毎日対局があるわけでもなく、自由業に近い就業体系ですから、他の自由業の人が登場人物でなぜいけなかったのか、というようなものです。あと、最初は棋士が何らかのトラブルに巻き込まれ、それがストーリーの主軸になると思われていたのが、いつの間にか将棋界のエピソードだらけになって、最初のトラブルは何となく解決してしまいました(つまりミステリーが付け足し)、というようなものとか。

そもそも将棋をミステリーに活かすとしたら、「将棋を指すこと」が事件と何らかの関係を持つ必要があります。囲碁はよく将棋とよく並べられたり比較されたりしますが、「登場人物を囲碁棋士に置き換えられる」ようなら、それだけでも将棋が題材である必要性が薄れてしまいます。ということは、将棋独自のもの、つまり将棋のルールや、指し手(棋譜)や、駒に何らかの意味を持たせる必要があるでしょう。例えば、「ここに一枚の棋譜がある。一見、普通の対局を記録したもののようだが、プロの高段棋士から見ると、不自然な指し手が多い。よく調べると実はそれは暗号だった!」というのはいかがでしょうか。もちろん、そうなると作者に高度な将棋の知識(技量)が要るわけで、その暗号棋譜を作るのはとても難しい、というのは自明です。

でも、一度くらいは挑戦してみたいものです。作るのにものすごい時間と労力(とできればプロ棋士の協力)が必要でしょうけど。

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