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中間選考突破することができました

 カクヨム甲子園に応募した二作が中間選考を突破することができました。
 昨年は中間突破することもなく、周りの人たちの熱意と作品の出来がすごいなと圧倒されていました。一年後、参加できるのが最後の年で選考作品の中に自分の作品が残っていて、驚いてます。
 応援の言葉や反応が何よりの支えでした。ありがとうございます。
 受賞作品に残るかどうかはわからないけれど、残った二作にご縁があればいいなと思うばかりです。

 ロング部門『保健室に来た彫刻品』
https://kakuyomu.jp/works/16818093084441264189

 ショート部門『幸花』
https://kakuyomu.jp/works/16818093081047606639

5件のコメント

  • とりあえずおめでとうございます。
  • やりましたね!
    おめでとうございます!
  • とても嬉しいです、ありがとうございます
  • アアラ屋敷

     アーロンとお嬢さまとの関係や過去の契約、それらに基づく互いの感情の絡みが物語全体に厚みを持たせていて、深い印象を与えてくるいい作品です。
     進行は丁寧で、謎解きの要素が徐々に明らかになっていく構造。契約や心の葛藤というテーマが深く、キャラクターが魅力的で、物語に十分な引き込む力がある。
     特に内面描写が豊かで、感情的に共鳴しやすく、アーロンが抱える過去の契約とお嬢さまとの関係が交錯し、物語の緊張感を高めているところは面白い。
     描写は豊かで人物の内縁描写は良く、二人の心情が細かく描かれていて、寄り添いやすい。
     アーロンの複雑な立場と心情がよく伝わってきます。彼の過去と現在の矛盾した感情が一層人間らしく、立体的なキャラクターにしています。彼の感情の変化をもう少し明確に描かれていると、葛藤がより感じやすくなるのではと想像する。
     比喩表現も印象的で、深い味わいがある。お嬢さまが「リスのように頬を膨らませる」シーンなど、視覚的に強く印象に残ります。無邪気ながら、どこか計算高い一面が見え隠れするギャップは面白く、物語に深みを与えています。もっと彼女の背景や成長過程を描くことで行動がさらに納得できるものとなる気がします。

     全体的に面白いのだけれども、改善の余地もあると思います。
     印象としては、初稿もしくは第二稿。推敲と添削を更に加え、これから良くなっていく途中だと受け止めます。

     物語中盤あたりで少しテンポが遅く感じるので、もう少しスピーディーにしたほうが、より引き込まれやすくなるかもしれない。
     読者が物語にもっと早く引き込まれるよう、物語の重要な要素(契約や過去の背景)を早めに出して、テンポを大きくすることもできるのではと考える。
     アーロンとお嬢さまの過去のやり取りや、アーロンが契約を結んだ経緯について、もう少し情報が欲しい。読者がその選択に納得できるよう、アーロンがどのようにして取引に至ったのか、もう少し深掘りしてもいいかもしれない。
     アーロンとお嬢様の関係や契約が明らかになるところは、もう少し早めに触れて、テンポ良くしてもいいのではと考える。アクションやサスペンスを取り入れた場面をいれて関心を引き続ける工夫があってもいいかもしれない。
     最後のシーンでアーロンとお嬢さまの感情のぶつかり合いや葛藤をもっとドラマティックに描いて強い印象を残す形にできるのではと邪推する。

     冒頭、ポケットが何度も登場し、重複している気がします。少し減らした表現にしてみました。

     すべては僕の軽率な行動が原因だった。少しの膨らみが気になるため、ジャケットのポケットになにも入れたりしない。だが、急な呼び出しを受けたとき、不用意にも写真を入れて出てしまった。
     おそらく、いつもと違うことに気づかれたのだろう。慌ただしくすれ違い、ぶつかっては見せてきたお嬢さまの顔に違和感をおぼえた。
     写真がないことに気づいたのは用件を済ませたあと。ポケットに手を入れたときだった。辺りを探しながら自室に戻ると、ドアノブにメモが貼ってあった。
    『アーロン、寝る前に私の部屋を訪ねに来なさい』
     見慣れたお嬢さまの筆跡。間違いなかった。

     重複する文章を書いてしまうのは、頭で考えて書いているからです。書き終えたら声に出して読んでみると良いです。同じ言葉が何度も出てくると気づくでしょう。また、数行の中に同じ漢字表記が何度もくり返し登場する場合、目が滑る現象が起きて、読みにくく感じます。
     お話を作るときは作者視点で構わないのですが、できあがって推敲や添削するときは読者視点で作品を見てください。
     とくに書き出しは、納得いくまで直しましょう。せめて読者を物語の半分、中程まで導くことを心がけること。半分読ませることができたら、残りも読んでみようと思うでしょう。
     本作の場合、前半のテンポや流れはよく、後半は十二歳の話が語られていく展開は良かったです。三幕八場の構成にもなっていました。

     主人公は使用人であることが読んでいけばわかってくる。ただ、お嬢様との年齢差がどれほどなのか、前半ではわからない。
     中ほどで「契約を交わした当時、僕は十四歳。ポロック氏の娘は四歳。そして現在、十年が経過した。幼すぎる娘、改めお嬢さまは、天真爛漫な少女に成長した」とあり、アーロンが二十四歳だとわかる。それはいい。
     気になるのは、二十四歳のキャラクターとして描けているかどうか。幼い気もする。お嬢様と同じ、もしくは少し年上、ときに年下のような印象もある。そういう一面を持つキャラクターなのかもしれない。
     主語で「僕は」がやたらと出てくるのも、原因の一つと考える。主語を明確にするのは理解できる。ただし、どんな読者を想定しているかにもよるでしょう。小学生を読者に考えているならばいいかもしれませんが、年齢が上がってくると変わってきます。一人称で書かれているので、主人公のアーロンである僕の話なのはわかるため、省略するときはしてもいい。
     写真をジャケットのポケットから盗み取っている。
     おそらくアーロンは、お嬢様よりも身長が高いのかもしれない。でなければ、お嬢様は背中を丸めるように身をかがめて近づいてきたのかもしれない。漫画やアニメ、ドラマなど絵があるとわかりやすい。つまり、人物描写が足らない気もする。一人称なので主人公の容姿を描きにくい。三人称なら書きやすいかもしれない。
     お嬢様がアーロンを見るとき、見上げるような動作をさせるように描けばいい気もする。
     作者は登場人物に演技をつけてあげてください。セリフでは嘘をつけても行動では嘘をつけません。悪いことをするときは、少なからず動作に現れるものです。

     読みやすさやわかりやすさを大事にするためにも、水増し表現「という」「ような」「のほう」「そして」を削ってください。なくても通じます。「と言った」も減らしましょう。
     読者層によって変わると思いますが、「 」は会話文なのでわざわざ「と言った」と書かなくても通じます。具体的に別な表現を用いてください。「笑い飛ばす」「告白する」「うそぶく」「提案する」「誘う」「叫ぶ」「喚く」「嘆く」「ささやく」「愚痴る」「突き放す」「冒涜する」「そそのかす」「鼻でせせ笑う」「こき下ろす」「賛成する」「拒絶する」「質問する」「吐き捨てる」「同意を求める」などなど。
     それでも「と言った」と表現を使いたい場合は、動作や行動と合わせて用いると良いです。本作だと、「僕に背を向けて言った」の表現は良いなと思いました。
    「それ」「その」などの、こそあど言葉も使わないよう心がけてみてください。

     最後にお嬢さまがアーロンに言及したセリフで、物語の余韻が感じられ、今後の展開や未解決の問題が残る形で終わることで、次の章への期待感を持たせる要素としてはうまく描けていると思います。つまり本作は、壮大な物語のプロローグという印象があります。
     でも、本作はこれで終わりというのなら、結末に向けてより多くの伏線を回収し、すっきりした結末となる工夫を加えると良いのではと考える。
  • 貴重な感想、本当にありがとうございます。
    キャラクターが魅力的で、物語に十分な引き込む力がある、と褒めてくださり嬉しいです。
    特に、内面描写やキャラクターの魅力についての助言は、今後の執筆において大いに参考にさせていただきます。また、テンポや構成についてのアドバイス、表現の仕方など読者にとって納得感のある物語に仕上げられるように力をつけたいです。物語をより引き込まれるものにするためのヒントをいただけたと感じています。読者にとって納得感のある物語に仕上げられるよう努めていきたいです。

    改めて、心より感謝いたします。
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