涼森巳王（東堂薫）

2月17日。今日は全国的に雪だ。
僕の仕事は昼から夜までなので、夜間の雪のたまりぐあいによっては交通機関がどうなるやら？
家族が歩いて行けというので、しょうがなく、徒歩通勤。

テクテク。テクテクテクテク……。
寒風吹きっさらしだなぁ。
ツライなぁ。

とは言え、今日は思ってたほどじゃない。ぼーっと歩いてると、あっというまに勤務先が見えてくる。
ちょうど雪もやんでたし、少し晴れ間さえ見えて歩きやすい。

かーくんは進む。

もう職場は目の前だ〜
なかに入って時間まであったまろう。
まっすぐ前を見てたかーくんは、ふと脇に視線を移した。

これは、よく小銭に呼ばれるやつ……。
なにげなく移した視線のさきには、たいてい何かがいる。

いた！　やっぱりいた！
どぶのなかに……クマが！

「助けてぇー。誰かひろってー」

ああ……。

こうして、かーくんは通勤途中、道端に両ひざついて、必死で溝に手を伸ばすハメに。



写真は救出されたクマ。タリーズの限定品のようだ。コーヒー色なのでモカと名づけられた。