自主企画『あなたの手で完成させてください!【色を失くした令嬢編】』を始めました。
詳しくは下のリンクから概要を読んでいただけると嬉しいです。
https://kakuyomu.jp/user_events/16817330650724415418 また、質問はこちらの近況ノートへのコメントという形でお願いします。
参加、お待ちしております!!
『以下が小説(?)部分です』
傷つけたことが不当なものであることは、終始承知していた。
彼女が努力して学園の首席にいることはわかっているし、それを私が表だっていじめることで他の人が彼女に危害を加えないようにしているのも、全て計画のうちだ。
ああけれど、いつ私の世界は色を失ってしまったのだろう。
彼女をいじめることで、周囲から嘲笑われるようになってから?
あるいは学園に入るずっと前から、私の世界に色なんてものはなかったのかもしれない。
いじめることも、公爵令嬢として結婚することも、全て社会の望むままに生きてきた。
婚約者の王太子は言っていた。
卒業後に聖女の名を授かる予定の彼女と結婚するために、学園では愚かに過ごせと。
私の心なんてものは、とうの昔に消し去られた。
そっか、私の世界に色がないのは、心がないからか。
そっか、……そっか。
息を吐く。
冷えた空気に、暖かいかどうかもわからない白色の煙が生まれる。
今さら心なんてものはどうでもいい。
ただ一つ、色づく世界を見てみたかった。
それすらも、きっと、叶わないのだろう。