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西小路キヨ香(設定)

西小路キヨ香
※名前はざっと華族を調べてわざと外しています。
時代考証が足りてないのでなんちゃってくらいが賢明です。

明治~大正あたりの頃から異世界転移
家族構成:祖父、祖母、父、母、兄、弟、妹
半勘当された叔父(は、キヨ香の認識)
この母は育ての親。産みの母はキヨ香を産んだ後に祖国に帰郷した。

父の浮気でできた子でハーフ。
産みの母が育てるのを拒否したため、父の望みで西小路に引き取られた(が、特別父からの愛情があったわけではない)
世間(都会)は西洋文化の到来もはじまっていたが、キヨ香の家はガッチガチの堅苦しい古い家。
髪は黒く染めてやや強気な性格。
腫れ物扱いで育ったため我儘は叶え放題。
親の愛情はない。日本人離れした容姿と強い性格に、育ての母から「可愛くない」と言われ育つ。
だがキヨ香は「母は美しい人だった」と聞いていた。
母に似ている自分は醜いのか疑問だった。
なにより、何故髪の色が違うことで染めねばならないのか不思議だった。
ずっと自分らしくありたいと願いながら育ってきた。
叔父の診療所を手伝ったのは偶然。叔父が孤独だったキヨ香に声をかけた。そこで患者の助けになることでやり甲斐と感謝される喜びを知る。
それから社会に進出した女性が少なからずいることを知り、憧れるようになる。
一人前の看護婦になりたかったが、ほぼ勘当状態の叔父の元に通うのは家族に良い顔をされていない、見逃してもらっているのが現状。
あるいはどこかに嫁いで家族を作ればなにか変わるかもしれないと思っていた。

女学校は何事もなく卒業してしまった。
※時代的に家の組んだ縁組で途中中退は珍しくない。
その後も縁談は上手くいかず行き遅れ状態。家での意心地が悪い。海を越えて母の国に渡るべきか悩む。
相談役である叔父は悩みつつも「それが君のためになるならいい。海を渡るなら金を出す、応援しよう」と言ってくれていた。
そんな最中、とうとう縁組が決まる。
40過ぎの男性の後妻で結婚式もないという。
なぜ普通の相手ではないのだろう?
父母に問えば、キヨ香ではむしろこれでも良縁。相手には既に男子がいて、子供は不要とまで言ってくれている。
つまりキヨ香の負担はなにもない。良い人だから大事にしてもらえるだろうと言われた。

が、彼女はそうとは受け取れない。
自分には当たり前に子供を産むことすら許されないのかとショックを受ける。
そのうえ妹には既に婚約者がいた。同い年くらいの男の子が相手だった。
逃げたい。しかしもう間に合わない。家族の手前頷くしかなかった。
叔父に別れを告げ、嫁ぐ当日に雨が降る。

西小路キヨ香の一行は霧の中に消えた。
二度と戻ってくることはなかった。




目覚めは森だった。
横転した馬車から投げ出されている。
御者の姿はない。唯一実家から付いてきてくれた使用人の老婆「シズ」もいなかった。
行き倒れたところで拾ってくれたのは皇太后クラリッサ。
彼女は気まぐれで庶民に施しを与えた。
一度だけ面会した。自分が救った犬猫を一度は見ておこうかという心持ち程度だった。
「染め粉? 美しい髪なのにもったいないこと」
その瞬間、何気ない一言にキヨ香は救われた。

こんな訳の分からない世界で、食事と寝るところを与えてくれた恩人に報いねばと考える。使用人でも構わない。役に立たせて欲しいと直談判したところで再度クラリッサに面談。
ほかの使用人達は「クラリッサ様の気まぐれに騙された可哀想な娘」と思っていたが、なんとクラリッサがキヨ香を気に入った。
この時クラリッサはキヨ香に好意を向けられ「魅了」された。
それは回を増すごとに強くなり、とうとうクラリッサはキヨ香を「娘」とする。
昔の自分と決別するため、キヨ香は「香」の字を捨てた。










※本当の転移人は使用人の老婆「シズ」
転移人の特徴たる力(リイチローとはまた違う)が付与される予定だった。
が、シズはキヨ香が嫁ぐ折、世界をまたぐ瞬間も転移するなど知らずずっと願っていた。「自分はどうなってもいいから、どうかお嬢様が好いた方と幸せになれますように。愛されますように」と。
なんの因果か、これをもってシズのすべてを引き換えにキヨ香に「魅了」が付与。
シズはキヨ香の「理」を変えた自覚もないまま、世界の境界を跨ぐ直前、異世界の理に耐えきれず消失した。
反対に消失するはずだったキヨ香が転移を果たす。
シズの「願い」あるいは「呪い」を宿したままに。

本編には一切関係ない話。

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