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ラノベはオワコン論にモノ申す

 X(旧ツイッター)やなろうサイトに「ライトノベルおわたw」的な小文(あえて小文と呼称する)を散見することがあるが、それに対しては「キミの小さな視界ではそうなんでしょ」と呟くしか無い。
 たしかに、街の書店が減少し、紙の書籍が店舗にある状態が、視覚的に減少していく昨今ではある。「出版バブルは1996年が頂点です。(略)それでも書籍新刊の出版点数は2008~09年まで増え続けたのです」と佐伯泰英氏が書いていらっしゃる。
 だが、周期的な上下動の波の、曲線の傾きが減少傾向にあるから、というだけで「ライトノベル終焉」宣言を出すならば、それは、勃興期から最盛期を過ぎ、衰退期に入ってからいよいよ終焉を迎えたから、というべきであろう。
 「神は死んだ」「ロックは死んだ」「文学は死んだ」論は数あるが、それはその人の信じる神が存在の証明をしなかっただけで、その人の好きなロックや文学が現在の潮流の中で期待に応えなくなったというだけ。
 もし「死亡確認!」宣言を出すならば、それこそ塩野七生氏のローマ帝国興亡史のように、いかに生長し変質し衰退したのか、を、記述しなくてはなるまい。
 というわけで「ラノベおわたw」と書いた方々には、せめて、「ご自身がどんなライトノベルに出会い、どんな作品にドキドキワクワクし、そして、現在の書店と店内の棚の減少にガッカリしてんだよぉ」くらいは、ナラティブに語ってくれよ、と思うのだ。
 あのとき、ワクワクドキドキした作品に負けないような作品を書くのもヨシ、後の世に残るとして、「江戸時代の黄表紙・戯作者」「平成~令和のライトノベルと作家さん」と一括りにされないように、推し作家さんと代表作について、丁寧に感想を書き綴る、「ラノベの歴史」の中に位置づけてもいいんじゃないかなあとおもう。

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