~12/25~
◯派閥
「イルミネーションを歩くカップル見たらさ、どう思う派?」
「……『どう思う派』とはどういう意味ですか? 春馬さん」
「『微笑ましいな派』か『爆発しろ派』か」
「後者は過激派ってやつですね」
「俺は断然、爆発しろ派なんだけど」
「想像はしてました」
「でも、春斗はどっちでもいい派なんだよ」
「意外ですね。そこは意見が違うんだ」
「兄としては、弟の暴走のない平穏なクリスマスを送りたい」
「クリスマスってそんな危険分子孕んでましたっけ?」
「爆発しろ派は春馬と三島、あと巻き添えの彼方くらいだから安心して。成人組は基本的に俺と同じだから」
「さすが、大人の余裕ってやつですね」
「俺、顔は良い部類だから彼女いてもおかしくないんだけどなー」
「イケメン爆発しろ」
◯『柊』違い
「クリスマスといえば『柊』だよね」
「柊さん?」
「和泉君は柊を『さん』付けするほど敬ってるの?」
「え? いや、普通ですけど、俺より上ですし、呼び捨てはちょっと憚られると言うか……」
「まぁ、大きいしね。僕も初めて見たときは、下手に触ったら怪我しそうだなって思ったよ」
「あはは……。実はそれ、俺も思いました。でも、よく『見た目で判断するな』って言いますし、接していく内に平気になりましたよ」
「和泉君は意外と胆が据わってるよね。お兄さん感心しちゃう」
「……あれ、誰か止めてやらないのか? 話が噛み合っているようで噛み合ってないぞ」
「「えー、やだー」」
「三島」
「ムリムリ。よっしーは止めに入らないの?」
「入るタイミングを見失った」