ほんの数年前、まだカクヨムで話を書き始めていた頃。
どうすれば読んでもらえるのかわからなくて、ヒットアンドアウェイ方式を採用していた。
これはもちろん正式名称ではない。
話の中に興味を持ってもらえそうなイベントを度々送り込んで、少しでも次を読んでもらおう、という構成で挑む方式、たった今私が名付けた。
しかしやはり内容が伴わないものは読んでもらえなかった、当たり前だ。
特に残酷なのはPVである。
最初ある程度の数字があって、その後がくんと下がる。最後は……0。
結局これはもう面白くなくて、次は読めませんでした、という読者からの意思表示——でもこれが現実。
その後色々な本や創作論を読んだり、またここまで支えてきて下さった方々のお陰(敢えて名前は出しません、いつもコメントやレビューを下さる方です。きっとあなたのことです)でやっと少しずつ「書く」とはどういうものか分かりかけてきた。本当に感謝してもしきれない。
そして最近、ふと嬉しいことに気づく。
最近公開した3作品のアクセス数が、ほとんど途中で落ちていないのだ。
「生命保険と宇宙の揺り籠」ではPVで見るとおそらく100人もの方が4話まで、
「ある日突然、人殺しと言われて。」は89、「学校では教えてくれなかった、うさぎとかめ」では27人もの方が最後まで読んでくださったことになる。
よく総PV数で語られている場面を見かけるが、総PV数は話が多いか少ないかでも価値が変わるものだし、どうなんだろうと疑問に思っていた。
PV10000→100→0となるよりも、一人の方が最後まで読んでいただけた方が自分は価値があると思う。その点で、これだけの方が最後までPVを減らさずに読んでいただけたということは、様々な感想があるにせよ、「読ませる」ことはできたのだろう。そう考えると、この数字、減らないPVがとても輝いて見えた。
自分は出版することはないだろう。
もちろん書き手として憧れはある。しかし、そこに至らないとしても、こうやって見ず知らずの方が時間を割いて読む価値のあるものを作ることができた、それだけでどこか十分満足してしまうのだった。
ということでこれからも何卒宜しくお願い致します。