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気狂いピエロ

なんでこんなに苦しいのだろう悲しいのだろう寂しいのだろう俺は孤独なんだ孤独、そう結局本当の俺を全て理解してくれる人なんて周りに誰もいないただみんな自分の人生にちょっとしたアクセントをつけて楽しくしたいだけ本心では俺のことなんてどうでもいいみんなにとって俺はただそこにいるだけの存在でしかない結果的にいてもいなくても何も変わらない空を見上げたとき流れる雲にほんの一瞬だけ目をとめるだけど後から思い出すことはないそれと同じ

 自分が信頼している人、心と心で繋がっていると思える人と気軽に会って話すことはできない物理的にも距離が開いてしまったしどうにも俺はSNSでのやり取りが苦手だ本当に苦手だ話を聞いてほしいのに逆に相手の話も聞いてお互いに伝え合いたいなのにLINEやインスタ、その他多くのSNSでのやり取りがどうにも味気ないし物足りないしつまらない返信を面倒に感じるそして相手も俺と同じく返信が面倒でそもそも会話するのも面倒だったらどうしよう、そう考えると地元の友達にも俺の方から連絡できないだから離れる心が離れる物理的な距離が空けば空くほど心理的な距離も空くきっとこれが世の常なのだろう大学に入ってたくさんの人間を見た新たな出会いがあっただけどはっきり言うと今からまた人間関係を構築するのが面倒くさい労力がいる

 そもそも俺は気分屋で誰とも話したくない時、一人でいたい時が頻繁にある昔からの友達ならそんな時に冷たくしても別に何もないだけど大学のヤツらはみんな離れるきっと心の中で勝手に俺をコミュ障とか根暗とか蔑んで、すっと壁を作るんだ気持ち悪いな本当にお前らなんかに俺の気持ちが俺の人生が分かってたまるか今まで生きてきた軌跡を何も知らないヤツらが俺という存在を規定するなそんな風に思う一方で心のどこかでは俺のことを理解してほしいこんなに頑張っているのだから目を向けて欲しい、そんな声にならない願いを抱えているだけど無理だそれは叶わないなぜなら時間がいるから人と人が真に繋がろうと思ったら時間がかかる、たまに少し話す程度の関係では無理だろう何も生まれないただ時間の空白を埋めるだけ心の空白は埋まらないそんな寂しい関係は何の意味もない

 この五カ月は全て創作に賭けてきた他のことなんて正直どうでもよかったただ小説を読んで書いていたかったし実際にそうした、その結果すでに多くのことを犠牲にした人間関係がその筆頭だろう創作に注ぐ時間が減るのが嫌でサークルにも入らなかった俺は彼らみたいになる自分が嫌だった何かに本気で打ち込むわけでもなくただ一時を楽しく過ごせばいい、そんな生き方は選びたくなかったどうせやるなら本気でやりたい俺の全部をぶつけたい高校時代の部活もそうだった結局大した結果は出せなかっただけど自分なりにやり切れた楽しかったあの日々のことは絶対に忘れない才能がないぶん人より努力した、人一倍やって初めて他人と肩を並べられた最初の頃はまるで勝てなかった部内順位も最下位だったろくに練習に来てないヤツに負けかけたりもした顧問や先輩、同級生からもおそらく舐められていただけど試合で見返してやった

 あの時の俺は本当にカッコよかった俺は俺のヒーローだ勉強でもそうだ

 高1の二学期、期末テストでひどい点を取ったそもそもが簡単なテストなのに人には言えないような点を取ってしまった自分の頭の悪さに呆れた、いま思うと俺は17歳になるまで頭の使い方が分かっていなかった論理というものを知らなかっただけど高1の学年末、1年最後の期末テストでクラス1位を取れた自分で首位栄冠の目標を立てて本気で勉強したその努力が実って本当に嬉しかったし、あの時の俺もまたカッコよかった、バカな高校だったからそこでの1位なんて大した箔じゃないだけど自分で立てた目標をしっかり達成できたのが最高だったそして高2に上がって最初の中間テストでもまた1位を取れたあの時はまぐれじゃないことを証明するためにもう一度やってやろうと思って勉強した結果はまぐれじゃなかった俺が信じた俺は本物だった

 その後は大学受験という大一番に乗り出したそこでも俺は逆境をはねのけて合格した、だけどこれはそこまで大事じゃないなぜなら受験生の俺は自分を信じていたから大人達は誰も信じなかっただけど自分ならやれると心から思っていた

 だけど俺が自分を信じられたのは受験勉強をはじめる前の成功体験があったからだった、だから世間的に評価された大学受験合格なんかより俺にとっては部活の地区大会でのたった一勝、高校の簡単な定期テストで1位を2回取れたことのほうがよっぽど大事だった、思えば大人に受験合格を褒められてもなぜだか心底嬉しいとは感じなかった、きっとそれは大人達が表層しか見ていなかったからだろう、あんたらがバカらしいと鼻で笑ったことのほうが実は俺にとっての心の支えであり勝利の女神だった

 俺は俺が大好きだこんな風に夜中に怪文書を綴って一人病んでいる俺が大好きだ世界の誰よりも大好きだ愛してる

 だから俺のことを軽んじるようなヤツは絶対に許さない他人の脳内まではコントロールできないから別に心の中ではどう思ってくれたって構わない勝手に罵倒して見下してろ俺の魅力が理解できない時点でお前のほうがゴミだから

 だけど俺の目に見える形で侮蔑や嫌悪を向けるようなヤツは許さない絶対に許さない誰が相手だろうと殺してやりたくなるそういうヤツらは全員死ねばいい

 だけど俺自身も他人を見下すことが増えた嫌悪して避けることが増えたそれは大学生になってから特に加速したどこかで他人のことを気持ち悪いと思う自分がいる良くないことだと分かっているけど、どうしても思ってしまう

 結局俺はどこまでも自己中なんだろう俺は他人のために命を捨てられるだろうか見ず知らずの人間だったらそれこそ死んでも嫌だ他人の人生なんて知ったこっちゃない家族や親友はどうだろうきっと泣きたくなるくらい辛い決断になるだろう、だけど今は考えないことにするだってそれは地獄だから自ら地獄に行くのは面倒だし神経がすり切れるだけだ

 俺がここまで荒んでしまったのは間違いなく創作のせいだろう今俺は創作が上手くいってない自分が納得できる形にならないし、受けるべき評価も受けていない正直どうすればいいかわからない周りはきっと「そんなに苦しいならやめろ」と言うだろうだけど嫌だ絶対に嫌だ俺は創作を諦めたくないし創作に全てを賭けた自分自身を諦めたくないそれに何より楽しいもはや俺の心の支えになってしまっただから俺から創作を取り上げられないそれに世界で一番の俺のファンとして俺にはもっと頑張ってもらいたい俺は俺の生み出す物語を見たいし、俺が辿る人生を誰よりも傍で見守りたいだから踏ん張れ今は苦しい本当に苦しい時だけどいつか光は差すし道は拓く俺ならやってくれる

 本当に頑張っている日々を精一杯生きている心はボロボロだけどそれでも毎日頑張っている、だけど俺を励ましてあげるのは俺しかいない頼もしくもあるが寂しい正直に言って心底寂しい地元に帰って何か解決するわけでも天からアイディアが降ってくるわけでもないが一度地元に帰りたい母親と弟に会いたい話をしたい母親の手料理が食べたい、思い出が詰まった自分の部屋の畳で寝たい地元の空気を吸いたい海を見たい友達に会いたい幼い頃遊びまわった街並みを眺めて歩きたいまた安心できる空間に自分の身を置きたい今の生活には疲れた刺激的ではあるが居心地が悪いつまらなくはないが安堵がない常に気を張っているみんなどこか壁があるしなんだか俺という人間を融け込ませられないそれとも融け込ませたくないと俺自身が思っているのかきっと後者だと思う塾でのバイトもそうだ、職場環境は悪くない賃金は物足りないがやり甲斐はある総合してそこまで悪くない仕事だと思うだけどダメだどうしても受け付けない居心地が悪い安心感がない温かさがない通勤中の電車に揺られているとき本当に嫌になるなんで自分はこんなことやってるんだろう生きるためなのはそうだが、本当に虚しい心はきゅっと締め付けられる社会人になった時きっと同じことを思うだから小説家やメディアのコメンテーターとか自分が本気で心の底からやりたいと思う仕事以外は絶対にやりたくないきっと麻痺する感受性が死んでしまう「金のため」たったそれだけの、だけど絶対的な理由で嫌なものを嫌と思う気持ちを全部殺して無理やり笑顔を作って少しでもマシになるよう楽しい振りをして幸せごっこを演じているうちに年を取って体も頭もガタが来て…想像するだけでおぞましい、本当にこの世界は狂ってるなんで自分のやりたいことをやって気ままに楽しく生きられないのだろう、どうして純粋なままで生きられないのだろう、もっと優しい世界しか知りたくなかった厳しくて苦しい世界なんてもうたくさんだろ、ありのままの姿でいられない、仮面をかぶってさらにその下でさえも引きつった笑みを浮かべて、自分の心を騙し騙し生きるなんておかしい何かが違うと思っても見て見ぬふりをしてやっと生きられる世界は果たして誰のためのものなのだろう


 さすがにそろそろ疲れてきた思いつくままに殴り書きしたけどやっぱり虚しさは晴れないどこかに俺の話を黙って聞いてくれて優しく頭を撫でて抱きしめてくれる人はいないだろうか俺はずっと誰かに君は頑張っていると言ってほしかった何をどう頑張っているとかそんなことはどうでもいいただ日々を生きている一生懸命生きているそのことを理解して、いや理解すらいない分からなくてもいい君は頑張っているそれを言葉に出して温かく包み込んで涙さえも受け止めてくれる誰かを俺は永遠に求めているだけどそんな女神はいないこの美しき残酷な世界には

 本当にありがとうクソみたいな世の中で反吐が出るくらいムカつくけど同じくらい愛してもいる今日まで生きてきて沢山のきらめきを見せてくれたから
 
 まだ見たい景色があるしまだ立ちたい場所があるだから死なない絶対に生きてやる狂った世界を生き抜くそれだけは約束する絶対に俺は死なない

 また会えるといいな、さようなら

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