ほのぼの系とは縁が無さ過ぎる夢乃間。幸せタップリの百合小説を書きたくても、いざ書いてみると、幸せ二割くらいの小説になってしまう悪癖。
現状に危機感を抱いた夢乃間は、様々な百合漫画を読み漁った。先人の知恵を借りるように、百合の先駆者から影響を受けようと考えたのだ。
夢乃間は、よく燃えて、すぐ鎮火する。つまり、燃費が悪い。一度発火した火が弱まる前に、幸せで形成された物語を夢に投影させた。
その結果、生まれた小説が【箱庭に咲く百合の花】である。歳の違う二人が一つ屋根の下で暮らし、やがて同じ想いを抱く百合小説だ。どちらも闇を抱えており、時折、その闇が垣間見えてしまう。
つまり、いつものような小説になってしまった。例え別作品に影響されたからといって、書き上がった物が影響された物と似る訳ではない。
自分で書いたものは、何処までいっても自分が書いた物語だ。