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殺人の罪 (どすこいえづき)

ートロッコ問題から派生ー

いやいや、ちょっと待って。そもそも殺人はなんで罪なの?
痛いから?悲しむ人がいるから?怖いから?人材の損失?
痛くなくて悲しむ人もいなくて自殺願望があって損失の補填も完璧だったら、その人を殺しても罪にならない?
現実はそうはいかない。少なくとも現代日本では同意殺人罪というのがあるらしい。つまりダメってことだ。人を殺してその人の人生を奪ってはいけません。それが例え奪うのではなく明け渡された命でも、だ。なぜなのか?

一人の極悪人がいた。他人の命や財を脅かし奪い、他人を騙して売りさばく毎日に生きがいを感じていた。
ある朝、街の隅に彼の死体が転がっていた。被害の噂がおとなしくなりはじめたころだった。毒殺で即死だったようだ。ポケットには小さな日記のようなもの。そこには、彼が内に抱えていた絶望がつらつらと書き記されていた。「飽きた。未来が恐ろしい。」と。
彼に親しい者などおらず、誰かを愛すことも愛されることも知らずに死んでいった。
悪人とは言え彼の商才は確かなものであり、彼の売買が一つの歯車を担っていたことも事実だった。が、その歯車を代わりに回す人間は、彼とは真逆に人々の暮らしを発展させるほどの実力者であり善人だった。

と、しよう。
これが誰かによる他殺だった場合、日本では罪。つまり法的には「許されない」という結論。
なんで?犯人は一人の悪人を葬ることでたくさんの人々を救済したのに。相手はたくさん人を殺してきた悪人なのに。刑期は違えど同じ殺人という罪らしい。例えその被害者すら望んだ行為だとしても。誰も犯人を責める者はいない。責めているのはただ「法」と「倫理」だけ。そこに人はいない。(もしくは他人事に関しては綺麗事が好きな人たちがいるかな)

もちろん反論があるはずなんだけど、今は分からない。
こういう話に似てる思考実験例ほかにありそうだけどなんて言うんだろ?
ほぼドストエフスキーの「罪と罰」なんだけど。もっと簡潔なの。

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