なんとか石剣の|虹霓魔術《アルス・アルクス》が第一章完結です。
中学生の頃、三時間ほどで読んでいた単行本がだいたい十万字と知って驚いたのを覚えてます。
そのくらいの文を書いたんだなぁと、多少の達成感を抱えてしみじみするばかりです。
手放して万歳できるかって言うと、微妙な所です。自分では"面白い"と信じ込んで書いてますが、"もっと面白い"がなかったかと言えば当然あったはずなんです。
そうして振り返ると反省点はめっちゃあります。
・キャラをいっぺんに出し過ぎ。
そもそもタイトルから逆指名感はありますけど、ヒロインというか女の子を七人書こうと思ってるんですよね。で、指折り数えてみればこの一章で七人中、四人ちょっと出ております。
ハイペースすぎです。エクレールは二章でもよくないか? って感じもある。太白とかアズスゥみたいなヒロイン枠じゃないのも含めると、それだけでもう七人超えてます。
一巻の濃さとかを考えると、三〜四人くらいが理想じゃないかな。
・話作りが不十分。
わかってんなら直せよ感はあるんですが、これじゃ足りないです。最初、ザハルに慰められてから寝る際、玄野の過去を戦闘描写込みで夢として挟み込むべきだった。
ヒロイン出し過ぎ論にも繋がるけど、もっと個々のキャラを掘り下げるべきでしたね。
たとえば終盤にルナって敵を出したけど、もっとモブみたいな敵でもよかったんじゃないかなとも思う。それこそルナが従えていた大蛇神とか。
ただ、これは少し難しくて、そもそものコンセプトが『2010年代のライトノベルに、別の作品主人公が異世界転生(転移)』って物なんです。
書いてて楽しかったこととかに移ります。
・なんか変な食感にはなったと思う。
先述したコンセプトを例にすれば、この世界には玄野が干渉しない真っ当な物語があったんです。
その世界じゃフラムが主人公で、他の四人とぶつかり合いながらも《七曜》、ひいては自分の運命とと対決していくって流れですね。
その世界の一章は普通に大蛇神がボスとして出てくるでしょうね。ルナも太白もいなければ、総勢七人居たはずの女の子も五人になってます。
そこに異物として玄野が来ることで、物語が歪んだって表現は出来たかなと思います。もっと面白い展開に出来たとは思いますけど。
・少しは懐かしい気分になれたんじゃないかな。
いわゆるライトノベル、つーか副題にもある深夜アニメのお約束ですね。
その世界特有の魔術とか技術を学ぶ教育機関があり、そこに転入してきた主人公がヒロインの着替えとか入浴を覗いてしまって決闘! ……何個か思い当たりません? 俺はニアピンのシチュ含めて五つくらい出てきました。
懐かしいですよね。なんか初っ端からお色気があって、絶対に表紙めくって2ページくらい進むとカラーイラストでそんなシチュあるんですよ。
あと暴力系(というには正当な理由があるけど)のヒロインもあんまり見なくなりました。なんか最近の深夜アニメとか大人しい、いい子多いですよね。嫌いじゃないし、それぞれ良さはありますが、2010年代の亡霊としては物悲しいとこがあります。
ここを大きなウロだと信じて吐き出すと、この先はボンヤリとしか考えてない──どころか、一章の最後の方からもう考えてなかったゾーンです。
大まかな道筋は街灯のように見えています。不確かで、あっちこっち散らかってるように見えますが、なんとなく。
ただ、そこへ辿り着くまでの道順は一切見えてません。どの順番でなぞっていけばいいのかもわかりません。どうしましょうね。
最後に、イメージイラストとか依頼しようかなぁと考えてます。フラムのイラストか、いっそフラムと玄野を書いてめっちゃ表紙っぽいのとかもいいですね。夢が広がります。
長くなりましたが、ぼちぼち書きながら読む方もやろうかなと思ってます。何個か読みたいなーってのはあるんですよね。前に読み募した時の続きとか。
またこんど!