けっこう珍しい事に、一晩のうちで亡くなった人間が三人ほど夢に出てきた。
同一ではなくて、それぞれ別の夢で。
ほとんどの場合、夢の中で『これは夢だ』と気づくのだが、今回は気づくことなく、三者三様で生前と変わらぬ感じの日常がとどこおりなく、意識の奥で過ぎ去った。
深く眠っていたのだろうと思う。
何か、意味でもあるのか?と考えてみたが、、、特に思い当ることもない。
静かに日々が過ぎるだけだ。
そういえば小説を書き始めて、もう少しで二年くらいになるはずだ。
二年前の四月から、とある事情で自宅ですごす時間が増えて、長年の夢だった長編小説を書くことに挑戦してみた。ちょうど、生成AIの発展なども良いアシストになった。
『長編小説の書き方』みたいなものを片っ端から読んだり視聴したりしていたのが懐かしい。
小さいころから、自身の世界というものを作りだしてみたかった。
ここの所で投下した
・百合中編
・ロシア革命もの
・ホラー短編
この三部作だが、二年前の自分では到底書くことの出来ない作品だと思う。出来るものなら、二年前の自分に見せてやりたいものだ。書く力の変化は、数日や数ヶ月では判断しにくいが、年単位ならばかなり明確に表れてくる。
私の書きたいものは商業作品ではなく、『自分の書きたいもの』で自身の世界を投影したものだが、、、今回の三部作は「誰かのために書いた」感覚が強い。
それでも自身の世界は、色濃く投影されている。作品には否応なしに自身が投影されてしまうし、求めても求めなくても逃れる事は出来ないのだなという思いが生まれた。
逆の視点で言えば、他人の作品も作者の投影であり、その人の世界が提示されていることになり、作品を通じて作者との会話が成立する。
自身の世界というものを、面白さや共感を持ってもらえる形として提示し、数名の理解を得られれば、自身が作品を作り続ける価値はあるのだろう。
そこを、数名ではなく「Web小説だから、もっと沢山の人間にとどけられる かもよ」という不誠実な悪魔の声とどう向き合うか?を自身の内省とし日々考えている。
筆力をつけたい。
数名を探し続けつつ、自身の心に光をあて、深い部分の声を汲み上げる作業を淡々と、時に血を流しつつやっていくつもりだ……残された時間が許せば。
(病気などで、私の余命が残り少ないとか言う意味ではない)
ロシア革命もの、ホラー短編の次に江口作品の予定があったが、現状の筆力では表現したいことの2~3割しか出せないと判断したため、もう少し寝かせる事にした。
書かなければ上達しないが、、、ようやく燃え尽きからも回復してきているので、しばらくは淡々と的を射るような努力を続けたい。
今後のぼんやりとした構想で
・和風剣豪百合 中~長編
・中性ヨーロッパ 短~中編
・異世界ファンタジー 短編
などを考えてます。江口作品はこれらを終えた頃の筆力で挑もう。
さいごに
この時期にしては珍しく雪が降った。冷気に力強さがあるものの、今季最期の冷たさかと思うと、この冬が別れを告げているようで、どこはかとなく悲しいものがある。