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近況20190916(なないろ完結)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889019073/episodes/1177354054889311851

こんにちは。
井守ひろみです。

なないろ、ついに完結しました。
長かったです。
構想から完結までほぼ一年かかりました。

一途なふたりが綴ってきた甘くも苦い学園での恋物語、いかがでしたでしょうか?

完結しましたので、少し制作秘話を書くことにします。
この作品を書くにあたり、きっかけとなり、原型となった作品があります。
そのタイトルは伏せておきますが、まずその作品を全部そのまま持ってきました。
まずキーになる翔くんの設定を決めることから始まりです。

ヒロインがアタックしても振り向いてくれない原因を、母親に向けます。
子供の頃の誤解から、女性全てのイメージを母に対するイメージに当てはめてしまったことにしました。

ヒロインの設定は人見知りで引っ込み思案。
その不器用だけどひたむきな様子に、翔くんが興味を持つことになります。

物語を進める重要な友達に、詩依ちゃん、雪絵ちゃんを付けます。
もちろん俊也くんもです。

詩依ちゃんは間延びした独特の喋り方にして、文字だけでも詩依ちゃんとわかるようにします。
雪絵ちゃんは語尾を切るような、乾いた感じの喋り方にしてます。

俊也くんは翔くんのことをよく知っている幼馴染にしました。
けど過去に苦い経験をして、そこにまだ囚われているから、同じことを衝動的に繰り返してしまいます。
それを乗り越えるようにもしました。
当初、俊也くんは翔くんとは別の路線でモテるイケメンという設定でしたが、それを綴るシーンが無いままストーリーが進んでしまい、結局翔くんを良く知る幼馴染というポジションに落ち着きました。
俊也くんが緋乃ちゃんをどう思っているかは、追加の番外編でちらっと明らかになります。

護くんは最初、回想のみで実際には出てこないはずでした。
けど緋乃ちゃんの告白を邪魔するため、親に振り回されて急遽出戻ってくることになったのです。
けどそこで出番は終わりなどではなく、終盤にかけて事態を改善するキーキャラになるはずが、詩依ちゃんと付き合って束縛されることで、取り返しのつかない状態にまで指を咥えて見守るしか無い状況にしました。
詩依ちゃんは俊也くんとくっつく予定でしたが、護くんに変更して、終盤の束縛に耐えるもどかしさを表しました。

一番悩んだ、書き直したのは雪絵ちゃんです。
前からお伝えしてるとおり、私一番のお気に入りキャラです。
最初は超能力ではなく、冷静な観察力の賜物にしたはずでした。
そして話を書くうちに興が乗って、なぜか予知能力者の設定に変更しました。
ですが、万能な予知能力から限定的な読心能力に変更して、その能力が何かは明かさないはずでした。
それが能力を明かして、さらに失われるという展開にまで大幅な手直しをしました。
もちろん恋をさせる予定もありませんでしたが、能力が失われるきっかけとして本作にふさわしく恋をもってきました。
お気に入りなので、恋もさせずに終わらせたくなかった気持ちもあります。
あと、氷空くんも出番は無かったはずですが、雪絵ちゃんのために出ていただきました。

石動家はそもそも登場の予定すらありませんでした。
20話を公開したあたりで、急遽ひらめいて追加することにしたのです。
当初は翔くんが臨時ではなく社会勉強のためにこっそりバイトを始めたけどバレてしまい、親に留学させられるという展開にしましたが、何か物足りなかったので、石動さんとの婚約騒ぎという近くにいるのに遠くなってしまう決定的な別れを演出しました。
だけど緋乃ちゃんと翔くんがボロボロになっていく様子は、書いていて本当に辛かったです。
当初は石動さん登場からさらに20話は書く予定でしたが、ボロボロになってなお追い打ちを仕掛けられて弱っていく姿は、書いていてさすがに辛すぎたので、予定より短くしてお送りしました。

こうして、なないろは物語を紡いできました。
ラストの展開は綺麗に締めたかったので、石動一家の扱いがかなり雑になりましたけど、一旦完結ということにして、一部の伏線を回収するため番外編のエピローグを急遽書き足しました。

本作のタイトルは、ラストシーンそのものを現していたのです。
この手法は「頭文字D」やアニメ版「うた∽かた」を参考にしました。
本作を読んでなくて、ネタバレされたとしても、なぜそうなったのかという経緯が分からなければがっかりするようなことも無いでしょう。
それまでの積み重ねがあってこそ、ラストシーンとタイトルが光ってくるように構成したつもりです。
一話冒頭に桜(ピンク色)を出したのもそういうことです。
ピンク色は恋を象徴する色。
その恋が実らない悲しさを、緋乃ちゃんの目が灰色に染まることで表現しました。
最終話はその桜色を認識できず、そこから再び彩りの世界へ戻ってきました。

架空の学園名を設定しましたが、ほとんど出てきませんでした。
実はもっと使いたかったのですけど、意外に出番が無かったのを振り返ってちょっと反省しています。
舞台(地域)は察しの良い方ならだいたい分かるでしょう。

本作では、ある法則に従って書いていることに気づいているでしょうか?
前半はその法則が緩い感じでしたけど、後半(23話から)はピシッと合わせました。
それが何かに気づいていただけると幸いです。
とても気づきにくいところだと思いますが。

最後になりましたが、ここまでお読みいただき、皆様には大変感謝します。

次回作の構想はすでにあって、もうだいぶ書き進めています。
ここでタイトルだけ公開します。
その名は「ひだまり」です。
次回作の公開日は検討中です。

次回作でまたお会いしましょう。

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