https://kakuyomu.jp/works/1177354054882746106/episodes/2912051597807332807
【あらすじ】
ルベルの居城、天空の魔城パンデモニウムでの決戦を前に、レリュートは仲間たちに失われた魔法『飛行(ウォラートゥス)』の特訓を行っていた。無属性魔法でありながら術者の属性に強く干渉される飛行魔法に、セフィールやカーナスは悪戦苦闘。セフィールの暴走を優しくフォローするレリュートに対し、ユリアの可愛らしい嫉妬が爆発する。 一方、圧倒的な魔力制御で大人の余裕を見せるセイルやクレメンス王、空中連携の特訓に励むカレンとリディアなど、決戦を目前にして騒がしくも愛おしい日常の光景が広がっていた。レリュートはその光景を胸に刻み、必ず全員で生きて帰るという強固な決意を新たにする。
【執筆メモ】
天空の魔城パンデモニウムでの決戦を目前に控えた、特訓エピソードです。
今回は、長年レリュートたちエントラルトの特権の魔法であった飛行魔法を、味方たちにも習得させるという話を書きました。 空中にあるルベルの居城から落ちても大丈夫なようにとか、多角的な戦闘シーンを書くための布石とする感じです。 とはいえ、みんなが空を飛べるようになると、今後の戦闘が空中戦メインになってしまうのではないかという危惧もありました。ロボットアニメなんかで、初期のころは泥臭い地上戦だったのに、飛ぶ手段が開発されてから空中戦ばかりになる……みたいなイメージですね。
そこで、今後の戦闘が単調な空中戦ばかりにならないよう、それぞれの戦術を使い分けていけるように「属性ごとの飛行魔法の個性(得手不得手)」という設定を加えました。 『飛行』は無属性の魔法ですが、術者の魔力属性の干渉を強く受けます。ユリアの光属性は推進力が足りず、セフィールの雷属性は推進力が高すぎて暴走し、カーナスの地属性はそもそもが最も飛行に向いていない……といった具合です。 特にカーナスは一人だけ飛べずに悪戦苦闘して悔し涙を流しますが、そこでシーラ様から「貴方の真価は大地に足をつけて戦う姿です」と、彼ならではの『大地の騎士』としての役割を提示してもらう展開に繋げました。彼には彼らしく、地上で無双してもらうつもりです。
ちなみに、この飛行魔法がなぜ『失われた魔法(ロスト・マギア)』として世間一般的に存在しない魔法とされているかについても、裏設定があります。 この魔法の存在は戦闘行動においてあまりにも有用(機動力や奇襲、高所からの攻撃などにおいて圧倒的有利)であるため、エントラルトの諜報活動により、禁呪として徹底した情報統制が行われたという経緯があるのです。世界の均衡を守る組織らしい、えげつない管理です。
次回から、会議も終了し、新たな展開が描かれる予定となっています。どうか、彼らの戦いの行方を見守っていただければ幸いです。