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執筆の息抜き、自作語り②『登場人物の関係性』

皆様、こんにちは。出口もぐらです。
はい、自作語り第2回目です。今回はキャラクターの関係性について書き起こして行こうと思います。

 まずはやはり拙作のメインカップル、見藤と霧子。この二人なくして、この話は語れないと思います。
 そうです、人間✕人外カップルのいいところ。人間が必ず先に寿命をむかえて、別れを余儀なくされるという点ですね。その寿命が尽きるまで、どう生きるか。どう愛を育むのかが好きなんです。
 ところがどっこい、拙作のカップルは人間✕怪異です。拙作における怪異は「認知によって存在を左右される」という定義があります。ということは、場合によっては霧子に関する集団認知がなくなれば、霧子は消えてしまう訳です。見藤以外、誰の記憶に残ることもなく……。その儚さ万歳。

 一応、見藤という個人の認知に依存し、作中に登場した不思議な眼の力によって危ういながらも、霧子の存在は確立されています。それでも存在が危うくなるお話もありますが。
 そんでもって、この二人の関係の根底にあるのは「共依存」。見藤の愛と認知に依存している霧子。見藤は自身の過去を唯一知る、恋心を抱いていた霧子に心の安寧を依存し、それが大人になり盲愛へと変わったという形です。

 そして、二人の間に流れる時間感覚は異なるという点も推しポイントです。見藤は少年(15〜17歳くらい)であったころから歳を重ねて壮年(37〜38歳くらいの設定)となりました。ですが、霧子は変わらずです。なので、霧子としては見藤は見初めた少年の頃のままの庇護するべき人間。でも、見藤はもういい歳です。そこの齟齬が生じて、喧嘩をした3章。
 集団認知の禍害を経て、霧子は見藤をようやくひとりの男として見た訳です。(そこから霧子は男女の触れ合いに少しだけ積極的になります)

 ただ、見藤が過去に受けた因習を知る霧子だからこそ、なかなか一線を越えようとせず見藤の心が決まるまで待ちます。そうです、時間の感覚の違う霧子が待つという選択をすると、まぁ、進展しませんよね。見藤、爺になるわ。と、いうことでの関係を強制的に進展させるための愛のキューピッド5章です。
 加えて、生きてきた歳の数よりも、見藤の方が精神的に大人です。なので、霧子に対しては年相応の愛情や愛欲を抱いている点も超絶ポイントです。(枯れてません)

 次に、見藤と久保です。この二人は言わずもがな、雇い主と助手の関係です。
 が、久保と関わったことにより、ほんの少しだけ見藤の生き方が変わりました。見藤が「人のため」に行動する、ということです。特に、見藤を怪異に寄り添う怪異側、とすると久保は人間側という対比にもなってます。さらに、久保は奇絶怪絶な物語へのナビゲーターでもあり、怪異側へずぶすぶ引きずられていた見藤のストッパーでもあります。
 物語が進むにつれて、久保は持ち前の強かさと頭の回転、聡さによって見藤をサポートします。まさに助手。見藤もそんな久保を頼りにするようになりますが、やはり元は平凡な日常を生きていた大学生。見藤は怪異や呪い師の世界に踏み込ませないよう気を遣うようになります。
 
 そして、見藤と猫宮。彼らは付かず離れずといった、自由な相棒といった関係。(猫宮が自由奔放なだけ)
 2章始めのお話にあるように、猫宮は子猫を拾ってくれた見藤に恩義を感じています。書いてないけど。飼い猫が猫又となり、主人の無念を晴らす、なんて昔の怪談話があるほどに、実は猫って忠義に熱いんですよね。
 見藤も猫宮のモフモフには敵いません。よき相棒として関係を築いています。

 続きまして、見藤と東雲。この二人は複雑なようで単純明快。
 東雲は言わば、心がまだ少女です。少女の頃の初恋のまま、見藤に抱いた恋心と憧れ。複雑な家庭環境から父性を求めていただけなんです。そのいじらしさから、霧子に気に入られています。(もし、東雲が女性として見藤に愛情を抱くと、その時点で霧子の制裁の対象になってしまうので村の女達と同じ末路を辿ります。(怖)そうならないよう、見藤が気を遣ったり)

 そして、久保と共にいろんな体験、経験をして東雲は大人になります。
 見藤からしてみれば「怖い」この感情一択なんです。でも、見藤の方が大人ですし、久保の友人でもあるし、霧子が気に入っているので態度には出しません。寧ろ、雇い主として東雲を気遣う場面もあったり。(3章参照)

 そして、見藤と煙谷。この二人はライバル関係、だけど互いに能力だけは認め合っている。そんな美味しいやつです。
 ちょっと7章以降噛んできますので、今日はあまり語れません。二人の出会いなんてのも、妄想がはかどりますね。

 作者の大好物、見藤と斑鳩。この二人は親友であり、悪友でもあります。本編が完結して、次回作もひと段落したら『斑鳩外伝』やりたいんですよ(願望)
 そんな二人は生まれた境遇こそ似ているものの、その生い立ちや思考などは完全なる対比。血の繋がった両親と過ごした斑鳩と、そうでない見藤。しかし、斑鳩は実の両親と道を違え、死別。見藤は育ての親でもある師の信条を守り、生きています。

 そして、立場も正反対。斑鳩は警官として社会に属し、警部まで出世しました。その分、組織に縛られ、家の役目からも縛られています。一方の見藤は、一応キヨの派閥に属しているものの、放任主義なキヨ。ある程度の自由が利きます。そもそも、キヨの元を離れ、事務所を設けたのは見藤の意思によるものでした。
 そんでもって、やはり異なるのは最愛のひと。斑鳩は名家分家という生い立ち故に、若くしてお見合い結婚をしています。(本編でも登場します、芦屋家)まぁ、そのお見合い結婚も斑鳩に惚れ込んだ令嬢(お嫁さん)が裏で画策して、お見合いにまでこぎ着けたという裏話もね、いつか外伝で書きたいものです。(そんでもって夫婦仲は良好です。子どもも3人いて、休日には家族で過ごします)

 人を愛し、子どもを授かり成長を見守る幸せを享受する斑鳩と、怪異を愛し、所帯をもたない見藤。そんな対比にもなっています。
 ですが、そんな対比構造ばかりの彼らですが、そうでないものもあります。そうです、「男の友情」です。(4章参照)はい、私の大好物です。

 メインキャラクターの関係性の語りとしてはこの辺りでしょうか。もうね、長くなること必須です。第二弾も気が向けば……。

 そもそも、私は創作を初めてまだ1年生。読者に好かれるようなキャラクター作りなんて、できっこないんです。物語主軸のカップルを決めてしまって、あとのキャラクターは対比で考えてしまえ!という暴論です。なので、見藤と霧子、探してみると登場人物皆何かしらの対比構造になっています。そうすると、あら不思議。色んなキャラクターが出来上がっていきました。という裏話でした。

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