皆様、こんにちは。出口もぐらです。
長編『禁色たちの怪異奇譚』ですが、先日。Xにて自作語り云々という話題を目にしまして。そこで、近況ノートでしたことがない『赤裸々!自作語り』を書き起こしてみたいと思います。(Xの方では本編に関係のない見藤と霧子の自CP妄想を頻繁に呟いていますがね……!!)
そもそも、このお話は私が異類婚姻譚好きということもあり、探したんですよ商業作品を。人間×人外、それも怪異のお姉さんがヒロインなものを……!ですが、異類婚姻譚というと、どうしても人間の女の子 ――。それも、うら若くて(15〜18歳くらいが多いイメージ)生い立ちが暗くて、身内から虐げられていて人外のイケメン(俺様系な神様)に見初められた溺愛シンデレラストーリーが主流です。
いや、違うんだ!私が見たいのは、大人の恋愛!!おっさん(くたびれてる風貌だけど、脱いだら筋肉ゴリラ)と人外お姉さん(齢うん百年だけど初心)の不器用な恋愛なんだ……!ということで、この『禁色』が爆誕したワケです、えぇ。怪異の存在は「認知」によって左右される、この世界観にぴったりな共依存カップルが出来上がりました。
そうすると、あら不思議。創作意欲だけは持て余していたものですから、なければ私が書いてやる!精神で気付けば筆を取っていました。
せっかくの自作語りなので、1章から振り返り方式でつらつらと書いていきますが、興味のある方は是非覗いてみてください。
まずは1章。頭を悩ませたのが導入です。
主人公である見藤にカメラを固定してしまうと、奇々怪々な世界観が目立ちません。そんな奇々怪々な世に身を置いている見藤へ読者を案内する「一般人」が必要でした。(よくある怪異小説、シャーマン漫画によくいる主人公へのナビゲーターです)
それが久保です。ですが、冒頭いきなり久保が怪異と遭遇して危機に直面、見藤が久保を助ける……。なんていうのは漫画でしたら映えたでしょう。しかし、これは小説(それもラノベではなくライト文芸?キャラ文芸?寄りな)であり、不器用なおっさん主人公の物語です。いきなり見ず知らずの人間を誰が助けますかね、それも怪異が身近にいてそれが平凡であるという認識で、人間嫌いな見藤が。
という、キャラクターの整合性を重視した結果、あのような1話になりました。
なので、1章は世界観と登場人物の紹介、関係性を紹介したお話になっています。多分。(できてなかったら言ってやって下さい)
続いて2章。
登場人物の紹介と関係性、世界観のお披露目を終えていよいよ本題に入るのが2章です。
そもそも、異類婚姻譚というとメインカップルの恋愛のみが主軸ですが、これも私が恋愛だけだと胸焼けを起こして駄目なんです。(人間、生きていて恋愛ばかりしてる訳ではないですし。この話は大人向けなので現実寄りです。お仕事してるよね現実は…悲しみ)よって、怪異事件の解決のお話がメイン。ホラー(人怖)とても強め。
そして、物語を書く上でやりたいことナンバーワン。主人公の過去編。誰がなんと言おうと、やりたいですよね(確信)
普段は仏頂面でめんどくさがり屋、怪異にだけは甘い(特にヒロインである霧子には)。そんな見藤が実は激重過去を背負っている、そんな私の性癖がうんと詰まった2章でした。
3章は2章の延長線上に起こった問題解決のお話。
ですが、決定的に違うのは見藤の行動と考え方です。久保と東雲と関わりを持ったことで、見藤が少しだけ人間寄りの考えになります。(それ故に聞く耳を持たず、獏を封印してしまいました。)
霧子との関係性も少しだけ深まりましたね。これが、2章と3章の対比になっています。多分。
4章は章タイトル通り、細々とした怪異事件解決に奔走するお話。
序盤に細々とした怪異事件解決の話をするよりも、2章3章とメジャー?な妖怪を出してしまった方がインパクトあるかなぁ……という安直な考えです。
そんでもって、4章は斑鳩の出番が多い章です。そうです、これは作者の忖度です。まぁ、作品の上で擬似家族が好きな私はとても楽しかったです。
斑鳩は見藤との対比になっています。(それが明記されているのは3章ですが……)
境遇こそ似ているものの、怪異である霧子を愛する見藤と、人を愛する斑鳩――、という具合です。
更には、人を愛し子どもを授かって成長を見守る幸せを享受する斑鳩と、所帯や子どもを持たない見藤。
怪異に対する考え方も、この二人は違います。怪異に寛容である見藤(怪異の手助けをすることもしばしば)と、怪異が悪さをしないよう目を光らせる斑鳩。
この二人の関係性や、他キャラの関係性の癖はまた違った自作語りで書き起こしたいと思います。
5章はこれから見藤と霧子の関係性が佳境に入ります。どうぞ、物語を追って楽しんで頂けると嬉しいです。
という訳で、長々と振り返ってみましたがこの『禁色』も8章完結予定ということで、執筆の終わりが見えてきました。(現在、7章執筆中です。と言っても、各10話ずつ程度あるのでまだまだ先は長いような気もしますが……)
完結までお付き合い頂けると、幸いです。