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山本弘先生のこと

自分が生きているということは、誰かを見送ること。
私は山本先生のファンでした。

奇想天外でデビュー作を読み、SFマガジンの公募ショートショートを読み、それからほとんどの著作を(図書館で)読み、エロ小説同人誌を(とらのあなで買って)読みました。アニメ雑誌ファンロードつながりやSF大会で何度もお会いしました。SFコスプレをした(させた?)可愛らしいふたりのお嬢様たちの姿には、SFマニアのある種の成功の頂点を感じたものです。

30年ほど前のことですが個人的にも、私の実家にお泊りいただいたこともあり、私が最初に作って一般書店で販売されたゲーム、「きゃ♡SOS!」を褒めていただいたこともあります。

「輝きの7日間」の販売中止や脳梗塞のニュースに心を痛め、それでも益々のご活躍を信じていました。

先生の作品は私の人生の指針でもありました。

「悩め、とあの存在は言った」
「それはささやかな、しかしまぎれもない勝利だった」
「私を目指してはいけない。君は、君になるのだ」
「人間は皆、認知症なのです」

※記憶だけで書いてるのでちょっと違うかも。

その騎士のような姿勢を嗤う者たちに屈することなく、先生は戦い続けました。でも、もう決してお会いすることはできません。先生はあの世の存在を信じておられなかったからです。

さようなら、山本先生。
悲しいよ。ありがとう。そして、ごめんなさい。

2件のコメント

  • はじめまして。
    悲しいよ。ありがとう。そして、ごめんなさい。
    ですね。
    山本弘先生については、私は近年?の小説に偏っているのですが、『神は沈黙せず』と『アイの物語』、中でも『詩音が来た日』に心を鷲掴みにされました。思い出すだけでも、特別な気持ちでいます。
  • コメントありがとうございます。

    「詩音」は本当にリアルなので、もう世界のどこかに実在しているんじゃないか、と思うこともあるのです。

    山本先生はここカクヨムでも書かれておられますが、脳梗塞に関するエッセイなので私はつらくて読んでいません。これもまた、ごめんなさい、ですね。
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