📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」(異世界ファンタジー)
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
🌎️
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346ご愛読ありがとうございます。
📖「第692話 お客さん、魔境に行くんですよね?」
🗒️バタバタと慌ただしい足音を立てて走ってくる人影はまだ子供の姿だった。
「ああ、間に合った……はあ、はあ」
10代前半らしき少年は、息を切らせてマリコの前に立った。
「わたしに何か用?」
ステファノからの伝言でも預かってきたのかもしれない。不審を覚えながらもマリコは少年を促した。
「お客さん、魔境に行くんですよね?」
「そうだけど、それがどうかした?」
「俺を連れていってください!」
少年は食いつくようにマリコの目を見ながら、そう叫んだ。
「唐突ね。何を言ってるの?」
見ず知らずの人間を旅の道連れになどできない。しかも、旅の目的地が魔境ともなればなおさらのことだ。
普通ではない危険を伴うし、費用もかさむ。気軽に子供を連れていけるような旅ではなかった。……
+++++
お楽しみください。🙏😀