📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」(異世界ファンタジー)
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346ご愛読ありがとうございます。
📖「第682話 勉強させていただきました。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818622172277392110🗒️「返事が早くて助かる。引き受けてくれるんだな?」
「その前に。なぜ、この方が?」
席に着くや否や注文の話を詰めようとするジローを、スールーが押しとどめた。今日はジローにも同席者がいる。
それも到底無視できない人物だった。
「ハンニバルだ。よろしく頼む」
「上級魔術師である師に話したところ|聖遺物《アーティファクト》級の魔道具を改変するという話に興味を持たれてな」
「うむ。ジロー殿に願って同席させてもらった。邪魔はしないつもりだ」
それなら事前に連絡してくれればいいものをと思うが、スールーはその気持ちを心に押し込めた。
所詮はお貴族様のすることだ。平民の都合など考慮する必要を感じないのだろう。
「結構です。指輪の改良の件、当工房でお受けします」
「助かる。それで、料金の見積もりは?」
「1週間のお預かりとして10万ギル頂戴します」
スールーはあらかじめ決めておいた料金を口にした。
1週間の預かり期間は不必要に長くしてある。「1日で終わる」と申告したら、足元を見て値切られることを恐れたのだ。……
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お楽しみください。