📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093086685121407📄「イデア界とは純粋概念の存在する世界だ。思念体といえども生物とか知性体がいるような場所ではないよ」
無知な小児に言い聞かせるようにドイルは語った。
「イデア界には距離と時間が存在しない。世界の始まりから終わりまですべての事象が同時に重なって存在する」
原因と結果が同時に存在する世界。そんなところに生命や知性が活動・存在する余地はない。
「論理でわかることだろう? 生命や知性とは基本的に『変化』を前提とするものだ。変化することのないイデア界とは両立しない」
講堂を埋め尽くす聴衆に語りかけるがごとく、ドイルは両手を振るって熱弁した。
「そういうことですか。では、改めて聞きましょう。|虹の王《ナーガ》とは何者ですか?」
ドイルが芝居がかった言動を取るのは、伝えたい「答え」を持っている時だ。それをよく知るマルチェルはストレートにドイルの考えを尋ねた。
「『ミディアム』だ」
「何ですと? どういう意味か説明してもらえますか?」
短すぎるドイルの言葉を聞き、マルチェルは更なる説明を求めた。
もちろんドイルは説明する気まんまんだった。ふんと鼻の穴を広げて息を吸い込む。
「ミディアムとは『中間に存在するもの』という意味だ。物質界とイデア界の中間に存在するものを、この場合は指している」
ドイルはノートを取り出し、空白のページに「丸」を2つ並べて描いた。
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お楽しみください。