📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第586話 う、お手柔らかに頼む。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093083451020159📄「久しぶりですね。アラン、ネロ」
研修生としてやってきた2人を、ネルソンは学長室に迎え入れた。傍らにはマルチェルがいつものように控えている。
「ネルソンさん、お世話になります」
「……」
代表してあいさつしたのはアランだった。ネロはいつものように隣で口を閉じていた。
「第1期の入学生には騎士階級の者を4名含む予定です。お2人には彼らと我々をつなぐ役割を期待しています」
「シュルツ団長から話は聞かされました。我々は王立騎士団を代表する立場だということですね」
騎士階級にイドの制御を学ばせる。それがネルソンの方針だった。
魔力に覚醒しても魔法は生活魔法しか教授しない。「戦力」となるのはイドの鎧であった。
ギフトを持たなくても、イドの鎧があれば周辺諸国との軍事バランスは一変する。敵の攻撃はほとんど通らなくなるはずだった。
「王国軍の中核たる有力貴族領所属騎士を4名集めています。彼らは1年後領地に戻り、それぞれの同僚にここでの成果を伝える役目を帯びています」
「俺たちは王立騎士団に成果を持ち帰る役割ですね?」
「そういうことになります。貴族と王家の武力バランスが崩れては困るのでね」
貴族だけが力をつければ余計な内紛の元となる。各領からは1名ずつなのに、王立騎士団から2名の研修生を受け入れていることには王家を尊重する意味があった。
「そんな大役が俺たちでいいんだろうか?」
「もちろんです。イドというとわかりにくいですが、伝統武術で気功と呼ぶ物と考えればイメージしやすいでしょう」
「気を操れるのは武術の達人だけだと思っていたが」
「それは伝統武術に気功を練る方法論が定まっていなかったからです」
今や自分もイドの制御を身につけたネルソンは、アランの疑問に自信を持って答えた。……
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お楽しみください。