📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📖「第561話 あー、お前、何も変わっていないな。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093079974704340+++++
📄「む? 何の気配だ? ねずみでも入ったか?」
試射場のデスクに向かっていたドリーが、書類から顔を上げた。
かすかに空気が動き、「蛇の目」に小さなイドの反応があった。
「ピ」
ドアの隙間から走り出てきたのはステファノの従魔|雷《いかずち》丸だった。
「お前か? ステファノはどうした?」
言葉を話せない雷丸はドリーのデスクに駆けあがった。
「うん? 服を着せられているな。お前、お使いを頼まれたのか?」
ステファノが傍らにいないこと、普段は着ていないベストを身につけていることから、ドリーは雷丸が何らかのメッセージを託されたのだろうと察した。
差し出した手のひらに乗ってきた雷丸のポケットを調べると、案の定1枚のメモ書きが出てきた。
「『この耳飾りをつけてください』だと?」
見れば、ポケットの奥に小さな銀製の|耳飾り《イヤーカフ》が入っていた。耳の縁に被せるように装着する物だった。
「何だこれは? |護身具《タリスマン》なら既にもらっているぞ……」
休暇期間中で利用者がいないのを良いことに、ドリーはぶつぶつ独り言を言いながら耳飾りをつけた。
「特に何の変わりもないが……」
「ピー!」
ドリーが耳飾りをするのを待ち構えていたように、雷丸が一声鳴いて宙返りを打った。
「今度は何の真似だ?」
わけがわからずドリーは眉根を寄せた。……
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お楽しみください。