📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🖋あなたはまだ、「魔法のリアル」を知らない――。
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📖第550話 旅をする意味がこういうところにもある。
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093078358462867+++++
📄「これでいいかな」
ステファノは峠道を塞いでいた倒木を土魔法で道の脇にどかした。
強風が吹けば老木は倒れ、大雨が降れば土砂が崩れる。山の道が塞がるのはよくあることだった。
魔法師の自分が通りかかったのも何かの縁だろう。ステファノはそう思って、障害物に出会う度に取り除いてきた。
(こういう作業も土魔法具があれば、簡単にできる)
重さを十分の一に軽減する術式を籠めれば、復旧作業が楽になるだろう。もちろん土木工事全般に効果絶大だ。
(旅をする意味がこういうところにもある。街中では出会えない状況を体験できるからな)
魔法や魔法具の用途や新しい術式を発見する機会がそこにあった。
滑空術は既に我が物となっている。宵闇に紛れて使用するなら、馬車を上回る速度で旅ができる。しかし、ステファノはそれをしなかった。
旅そのものが目的なのであって、目的地に着くことを急ぐ必要はない。そもそも、旅を味気ないものにしたくなかったのだ。……
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お楽しみください。