📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
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📖第473話 人を10人も殺せば、名は残る。
「先生、これは……?」
ジローは差し出された指輪を前に、戸惑いを隠せなかった。
「これは我が師より受け継いだアーティファクトだ。次の世代であるお前に託す」
「先生、わたしはそのようなものを引き継ぐ資格など……」
アーティファクトすなわち国宝級の遺物である。ジローは戸惑い、受け取ることを|躊躇《ためら》った。
「資格? 資格とは何だ? 生きるためには資格が要るのか? 誰が資格を認めてくれるのだ?」
「先生、わたしはまだ何者でもありません」
ジローの言葉を聞いて、マランツは口をつぐみ、目を細めた。
「|不遜なことだな《・・・・・・・》。お前は『何者かになれる』つもりでいるのか」
「そんな……」
「何者とは誰だ? どこにいる?」
マランツはごまかしを許さなかった。鋭い語気でジローを追いつめる。