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📢更新しました。369万PV突破の「🍚🥢飯屋」。

📕「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙‍♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」
🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346

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📖第468話 酒は要らん。もう一生分飲んじまったよ。

 サポリの街を着の身着のまま、無一文で離れ、マランツは街道を進んだ。
 峠を越える時分には足取りもしっかりと定まった。

 隣町では一軒の飯屋に立ち寄り、掃除洗濯の下働きをして一宿一飯の恵みを乞うた。
 頭を下げることに恥などない。呪タウンにたどりつかねばならないという目的があった。

 やせこけたマランツの体を見て、飯屋の主人は手伝いの仕事を与えてくれた。
 マランツが魔術を操れると知ると、掃除洗濯は良いから火の番、水の番をしてくれと主人に言われた。

 マランツにとっては容易いことであった。

 錆びついていた魔力が、滑らかに動く。マランツは忘れていた感覚を取り戻していた。
 飯を食えば細胞が燃える。体が再生を果たそうとしていることが、ほてりとして伝わって来た。

 いくら水を飲んでも追いつかぬほどだった。

 夜になり、店の灯を落とすと、主人はマランツに寝床をあてがってくれた。納戸のような部屋に毛布を持ちこんだだけであったが、構わない。今のマランツなら、どこでも眠れる。

「今日はよく働いてくれた。酒でも飲むかい、爺さん?」
「酒は要らん。もう一生分飲んじまったよ」

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