🌎
https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346🖋17:45開店です。(新話公開)
📕第220話 情報革命は1日にしてならず。
📕一部抜粋:
「その通り。楓の葉を紙に重ねて陽の光に当てたもの。陰になったところだけ色が残った」
「そうなんですか? じゃあ、初めは紙全体がこの色だったんですね?」
この「感光紙」はサントスが試行錯誤の末作り上げた物だった。
実家が染色業をしているサントスは、さまざまな植物から染料を取る技術を知っていた。
ある種の花から採った染料は光に当たると脱色してしまうことも。
「これは試作品。2週間光に当てないとここまで変化しない。細かい模様はぼやけてしまう」
「文字を写し取ったりはできるんですか?」
「小さな文字は無理。便せん1枚に5文字が限界」
それではとても実用に耐えない。
「おまけに保存が難しい。光が当たるとどんどん色が薄くなる」
そう言ってサントスは紫に染まった紙片を封筒に納めた。
「なるほど。今のままでは使い物にならないが、可能性は感じさせる技術ですね」
「そうだろう? ステファノは違いがわかる良い子」
……
🖋ご来店をお待ちしております。🙇