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📢もうすぐ更新! 「🍚🥢飯屋のせがれ、🧙‍♂️魔術師になる。――知力ひとつで成り上がってやる。」

🌎https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346

🖋17:45更新予定! スマホの前に集合だ!

📕第207話 俺の武器は「水餅」で良い。🍡
📕一部抜粋:

 徒手格闘が進歩を遂げれば、それは杖術にも反映される。棒に纏わせたイドは自在に変化し、ステファノの意思と共に踊った。それはまるで生あるものを手にしているようであった。

 いつしかステファノの棒は風を纏い、|飄々《ひょうひょう》と音を立てるようになった。もしステファノが木枯らしを望めば、風は雪嵐を呼び、辺りを凍り付かせるだろう。
 真夏の|南風《はえ》を求めれば、火嵐となって敵を焼くことだろう。

 飄々となる棒を使いながら、その手ごたえが両手に伝わって来るのをステファノは感じていた。

(求めず!)

 ステファノは強い意思を持って棒を振った。棒は|渺《びょう》と鳴ってイメージを打ち消す。

 風の音は細く、さらに細く、深山渓谷を渡る微風となった。

(求めるは「不殺」。「縛」の一手)

 棒を包むイドがその質を変化させた。

 堅く、稠密であったものが、柔らかく自在な物に変わった。イドは水のように飛沫を上げ、尾を引いて宙を走る。それでいてすべては1つであり、ステファノの意思に従っていた。

(そうだ。刃は要らない。炎も、氷も欲しくない。俺の武器は「水餅」で良い)

 粘り付き、敵を包んで離さない。それを以て敵を封じる。
 不殺の捕縛術「水餅」をステファノは得た。

(これで良い。これは魔術ではない。イドの応用法だ。これが俺の術だ)

 ステファノは素振りを終えて、会心の笑みを浮かべた。

 ……

🖋お楽しみください。🙇

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