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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📕第204話 トーマvs.デマジオ。
📕一部抜粋:
ステファノにあえて20メートル先の標的を狙わせているのには理由がある。ジローの魔力を自分と同時に観定めた「眼力」と身にまとうイドの雰囲気であった。
ドリーのギフト「蛇の目」にはイドを視覚化する力はない。だが、それでも「何かがそこにある」とは感じるのだ。強いイドを持つ者には|独特の雰囲気《・・・・・・》がある。ステファノにそれを強く感じたために、難しい目標を与えて器量を図ると同時に成長を促したのだった。
案の定ステファノは工夫を繰り返し、20メートルという距離を克服しようとしている。しかも「|不殺《ころさず》」という縛りを己に課しながらである。
ステファノが試みた術式はどれも驚くべきものであったが、ドリーが最も驚いたのは術に込められたイメージの強さであった。
ステファノの術には命が籠る。ドリーの目にはそう見えていた。
|雷蛇《らいじゃ》が、|水蛇《みずへび》が、己の意思で標的を襲っているように見えた。
ステファノは術を発動する大本を|虹の王《ナーガ》と呼んでいた。確かにそう呼ぶにふさわしい重みと力強さを、ドリーはその魔力から感じ取ったが……。
本当の「王」はステファノではないか?
(蛇の王ならバジリスクか……)
……
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