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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📕第198話 世に1つ落とせぬ城はセイナッドの城。
📕一部抜粋:
セイナッドの土地は狭く、人も少なかった。他国へ攻め込む余力はなく、軍事的野心は薄かったようだ。
しかし、容易く落とせそうなセイナッド城を軍事的な拠点にしようと、隣国の有力豪族に襲われることがあった。
だが、落ちない。大軍を起して攻め寄せても、山|間《あい》の小城が落とせない。
とにかく攻めにくい。攻め所が少ない。城壁に取り付けば石を落とされる、糞尿や熱湯を掛けられる。
陣を構えれば不審火が出る。水が腐る。疫病が起こる。将が夜間に頓死する。
読んでいて「運が良すぎるだろう」と、ステファノが呆れるほど「敵方に異変が起こる」のであった。
「セイナッドの城には大天使が付いている」
敵方の兵はそう言って、恐れた。
セイナッドを攻めると聞けば、脱走者が続出するのだ。
どれほど勇猛、優秀な将がいようとも、どれだけ強兵で要害を固めようとも、それを上回る多勢で攻められれば必ず城は落ちる。落ちない城はない。
「世に1つ落とせぬ城はセイナッドの城」
そう謳われるほどセイナッドは不思議の強さを誇っていた。
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