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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📕第184話 その絵は見る者の感情を映し出す。
📕一部抜粋:
「あなたが今日描いた絵には魔術的現象が発現しています。いえ、魔術を使ったと責めているわけではありません。恐らくは極度の集中と緊張により、あなたの魔力が活性化していたのだと思います」
「そういうことですか」
確かに初めて尽くしの学園生活でステファノは緊張していた。その中で多少なりとも経験のある「絵」という題材にステファノは没入した。イドの繭が濃さを増していたであろうことは十分に想像できることであった。
「ふうむ。私には平凡な絵にしか見えんな。この絵には感情が乏しく、訴え掛けて来るものが無いようだ」
「そうですか……。それは先生に芸術を見るセンスが無いからかもしれませんね?」
「何だと!」
思いも寄らぬ無礼な言葉を返したヴィオネッタを、マリアンヌは怒気もあらわに睨みつけた。
「もう一度『絵』をご覧下さい」
「むっ?」
手元の絵に目を向け直したマリアンヌは、驚愕に目を見張った。
「何だ、これは?」
絵の中の横顔は「怒り」を発していた。その顔がみるみるうちに当惑と、驚愕に変わっていく。
「馬鹿な! 絵の表情が変わるだと?」
「先生にもそう見えるんですね?」
ぽつりとヴィオネッタが呟いた。
……
🖋お楽しみください。🙇