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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📕第180話 初めてのデッサン。🖼🖌
📕一部抜粋:
『下らねえことを言ってねえで、さっさと手を動かせ!』
バンスならそうどやしつけるだろうなあと、微笑みを浮かべながらステファノは画用紙に向かった。
心に自然と「|念誦《ねんじゅ》」を行い、体にイドの繭を纏う。それはステファノが集中する姿であった。
ヴィオネッタは道着を着た風変わりな少年の雰囲気が、何か|静謐《せいひつ》な物に変わったことを芸術家なりの感性で感じ取っていた。
唇の端に不思議なほほえみを浮かべたまま、ステファノは迷いもなく木炭を使う。目は画用紙だけを見詰め、もう石膏像を見やることはしない。見る必要が無かった。
「イメージ」はステファノの中に存在し、石膏像はいわばそのインデックスにしか過ぎない。
本質は石膏像が指し示す「その先」にある。
石膏像は「写し」に過ぎない。「その先」に「オリジナル」がある。
「理想形」と呼んでも良い「オリジナル」こそ、ステファノが再現しようとイメージすべきものであった。
ステファノにとってそれは石の像ではなく、生身の人であった。呼吸し、熱を持つ人間を、その横顔をステファノは想像した。
……
📕どうぞお楽しみください。🙇
(添付の画像は「UniDream」が本作の紹介文を読んで描いてくれたイラストです)