学生時代に恐ろしい目にあった
洋食屋さんに行きました。
でも残念ながら閉店していて、むせび泣いております。
こんばんは、中の人です。
お皿・・・ではなく、お皿を運んでくるあの銀色の丸いトレーに山盛りになってたスパゲッティナポリタンが有名で、先輩に強制的に食べさせられ、
ギブアップしたら、全員分の支払いをさせられるという、大学生あるあるのような思い出の店でした。
その後、笑っていいとも!でもその店のこれまた巨大な「プリンビューティ」という名の超特盛りパフェを、上述のナポリタンと両方食べるという、今でいうフードファイターが、彫刻科というところにたくさんいた記憶があります。
もう一度食べたかった。
まるで歌の歌詞のような詩、
「優しいサボテン」を掲載しました。
それを言うためにしょーもない歌を冒頭に書いてしまいました。
反省します。
詩はちゃんとしてますので、ぜひお読みください。
そして好評いただいている「ダイエット」ですが、
なんと未公開部分が発掘されました。
大幅加筆していますので、
こちらもぜひお読みいただくと、
女子大生の! 女子大生が! 女子大生に!
・・・
とにかくお読みください。
///////////////////////
ミニ小説
「文芸部的な、余りに文芸部的な」
寝手場架莉
寝手場は鰹節を鉋で削る。
パックの削り節の方が簡単で安いのは分かっているが、その場で削った鰹節と煮干しの出汁でないと耐えられない。
貧乏でもこれは譲れない。
さっと煮立てて出汁を作り、冷ましている間に蕎麦を茹でる。
午前一時に突然蕎麦を食べたくなったから。
午前三時に煎餅布団に入ると、寝入ったところで受け専の格安SIMスマートフォンが鳴った。
「もしもし」
枕元の目覚ましは午前四時を指している。
「連れ合いが欲しいんだよ」
どうやら電話の相手は公園でオセロを打っていた電気屋らしい。
午前四時に電話で話すことだろうか。
そう言えば電気屋はショートスリーパーだった。
「どんなのがいいんです」
「外科医か弁護士がいいな」
「夢見る女子大生みたいなことを言っているな。あんた今年で七十五だろう」
「登録者数200万のユーチューバーでもいい」
「いや、小学生のなりたい職業一位を訊いているんじゃないんだ」
電気屋は電話の向こうでツイキャスの配信を観ながら酔っ払っているらしい。
「もっと内面的なものはないのかい」
「そうだな、痛みに耐えられる人がいい」
「なんの話をしている」
「それか、秘密を守れる人」
「それは連れ合いじゃななくて、愛人じゃないのかい」
また無言になる。
そんなにツイキャス観たければ、電話なんかして来なけりゃいいのに。
「もごもご」
何を言っているかわからない。
「もごもご」
耳を澄ましても、さっぱりわからない。
「味噌汁は具から食べる派なんだねえ」
とうとう意味不明な寝言を言いだしたので、電話を切る。
なんなんだ、味噌汁って。
別に汁からでもどっちでもいいじゃないか。
おかげで目が冴えてしまった。
まだ陽が登る前だが、
寝手場は母から受け継いだ鉋の刃を研ぐことにした。