• 現代ファンタジー

第四話とtfの世界観について

 思ったよりも早く近況ノートを更新することになってしまいました。
 こんにちは、百萬です。



 第四話ですが、「そもそも、この世界の成り立ちは異常なのだ。」から続く世界観の説明描写を、諸事情によりガラリと書き換えてしまいました。
 大変申し訳ありません。

 このtear fragments.、世界観が複雑すぎるのではとご指摘を頂いたので、軽くもない解説の場を設けたいと思いまして。
 今より、つらつらと書き連ねますが、目を通して頂かなくても結構です。もちろん、小説を読んでいれば一通り把握できるようにする予定ですので。



 まず、tfの作中では、世界というものが唯一ではないということに触れております。
 これはその言葉通りで、私たちが生きている世界の他にも、例えばファンタジーな文化を持つ世界だったり、現代日本と変わらないような文化を持つような世界などなど、いくつもの世界が同時に存在しているという前提で。
 そんな様々な世界に生きる人々ですが、誰もが幸福な形で人生を閉じることができるとは限りません。順風満帆な人生を送る者もいれば、思ってもいなかった形で命を落としてしまう人もいるでしょう。
 これは言い換えれば、前者はハッピーエンドへと、後者はバッドエンドへと突き進んでしまったとも捉えることができます。

 人は、生きる上で選択を強いられることがあります。就職か進学か、道を右に曲がるか左に曲がるか、友人の遊びの誘いに乗るか断るか……選択の場というのは、当人が把握しきれないほどに用意されているものです。
 そうして、時によってはこの選択が、その人の人生そのものを左右してしまうことがあります。そんな重大な選択を行う上で、誤ったものを選んでしまったら?
 その先の未来を決めつけることは誰にもできませんが、最悪の場合、バッドエンドと呼ばれるような不幸な幕引きに至ることもあるでしょう。仮に自分が正しい選択をしていても、赤の他人の選択ミスにより、自分の人生に狂いが生じることだってあります。

 tfはそんな、当人、もしくは誰かの選択ミスのせいでバッドエンドに至ってしまうことが約束された者たちを寄せ集めて、新しい世界を作って。その世界の中で、バッドエンドが約束された者同士、手を取り合ってハッピーエンドを掴もうよ、と足掻く奮闘記のような物語です。

 でも、この世界で生きる人々は、自分がこのままではバッドエンドを迎えてしまうことはおろか、いつの間にか新しい世界に連れてこられていることにすら気付いていないのです。
 それはまあ、この世界を作ったロックの計らいといいますか。「あなたこのままだと報われませんよ」なんて急に言われても、信じる人はいないだろうし。



 やっぱりわかりにくいな、これ。



 で、ですね。作中に出てきた『断片』という言葉。
 これは、バッドエンドが用意されている誰か一人を主人公として考えたときに、その人を取り巻く環境ごと切り取ったものを指します。……と言っても、これが一番わかりにくいような気がするんですが。

 例えば、A子という現代日本を生きる人と、B子というファンタジーな世界を生きる人、この両名をピックアップしてみましょう。二人は悲しいことに、バッドエンドを迎えることが確定していることとします。
 tfでは、そんなA子とB子を取り巻く環境ごと切り取って(これが断片)、お互いに縫い合わせることで世界を生み出している……そんなところです。
 「A子とB子。その両名を主人公として考えたときに、彼女らそれぞれを取り巻く環境ごと」なので、もちろんA子とB子以外の人間も巻き込まれているんですね。なんとも迷惑。
 だからつまり……A子が北海道の函館で生きていれば、じゃあ函館まるごと切り取ったものを断片と呼ぶんです。わかってほしい!(わかってくれ)

 で、ですよ。この断片というものは、時と場合によって他の断片と、全く融合してしまうことがあるんです。前述の例えで言うなら、函館ともう一つ別の場所、例えば東京を一つにしちゃうみたいな、とんでもない話です。
 もちろん、今まで別々だったものをいきなり融合してしまえば、中には疑問を浮かべる人もいるでしょう。「なんで函館なのに東京スカイツリーあるん?」とかね。
 ただ、これすらもロックの粋な計らいにより、人々は「でもまあいっか」と受け入れるようになっているんですが。ろっくんすごい!

 それでも、無秩序に融合してしまえば、かえって混乱を招き、融合させる前よりも悪い結末へと至ってしまう可能性もあるわけで。その場合は、断片と断片の間に『縫い目』と呼ばれる境界線を設けて、しっかりと線引きを行い、さらにこの縫い目を超えられるのは、特定の条件を満たした者だけ、と決まりを作ったのです。
 前述の例えで言うのなら。函館と東京だけを切り取って、それを隣同士になるように縫い合わせてみる。そして、その境界線を超えるには、特定の条件を満たしている必要がある……という感じでしょうか。
 だからつまり、四話でロックがフェエルに驚いているのは、この特定の条件を満たしているようには見えないのに、おそらく縫い目を超えて、他の断片からやってきたと思われるからなのです。

 ……どうでしょう、少しくらいは理解が進むと良いのですが。



 とまあ、今説明すべきものはこんなところでしょうか。
 他にも何か気になることがあれば、喜んで解説いたします。本当は、本編でわかりやすく描写すべきなのですが、私の力不足ゆえに……。

 それでは、また次の近況ノートでお会いしましょう。

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