私は誰だ。君は誰だ。温かい。私を包むその大きな温もりを持つ両手は、いつも私を励まし、後押しし、生きる力を与えてくれる。同時に絶望的な程の自己の無力さを痛感させてしまう。母なる大地、母なる自然、母なる世界。この世に存在している我々生きとし生けるものは、何か異質な存在と同時並行でその生を全うする。使命や義務などではない。決まりきった規則をなぞるものでもない。この世界に生まれた一つの生命として、何か重要な意味を持って生かされているのだ。生が終焉を迎える時、自らに与えられた意味も終わりを迎える。その答えは一切知らされない。たとえ死しても、自己に与えられた脳、心によって、身勝手な都合の良い解釈で自身を満たし納得させるしかないのだ。我々は弱い存在だ。だが、弱い存在なりにやることも与えられている。私自身も意識していない範囲で。