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呪いの人形アンソロジー『ヒトデナシ』に参加した話と各話感想

エッセイの方でも触れたのですが、鉈手璃彩子さん主催の呪いの人形アンソロジー『ヒトデナシ』に1作品寄稿しております。
こういうアンソロに参加するのは初めてだったので、とても貴重な経験になりました。
改めて鉈手さんに感謝です。

このアンソロは先日の文フリ東京で「二酸化高校オカルト文芸部」より販売されていました。その後オンラインBOOTHでも販売されているようですが、現在完売御礼となっているようです。ありがてぇ話だ。

参加にあたってのいきさつやラインナップは以下のエッセイでまとめているのでご参考まで。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884988929/episodes/16817330657534470330

以下、各参加作品への感想です。
ネタバレ配慮はしていますが、未読の方はご注意を。






《感想》

2.怪談喫茶もののけ堂/中靏水雲
こんなはずじゃなかった感が読んでいてとても胸を苦しくするのだけど、それをお菓子にして提供する店、美味だ美味だと味わう客、独特な世界観だなぁと思いました。
こっちが苦しいのにそれを喜んでる側がいると苦しさが増すんですよぅ。
このストーリーが『走馬灯』として出されている、ということはお兄さんはもう……。
今回はアンソロ向けの切り出しだったのかもしれないですが、この形式だとシリーズ化のしやすさもありますよね。構成もお綺麗でした。

3.人形棚で見つめ合う/飯田太朗
このアンソロ参加の作家陣を登場キャラクターにしようというとこから頭が柔らかいというか、自分では思いつかん。
軽いコメディのノリで肩の力を抜いて読める話の存在はありがたい。
僕は皆さんと直に話したことがないのでこのイメージで各人のキャラクタが刷り込まれそうだけどなんとかフィクションであると言い聞かせることにする。
本筋とは離れるけれどメルカリでは本当に呪いの人形やその類が売られているから闇が深い。

4.ワスレナ/市亀
ドロドロで救いがなくて、こういうのだよこういうの、みたいになりました。
別にこの話で人形は呪いとか超常の何かを発現しているのではないですが、ある意味では一番怨念がこもっているかもしれない。
話もこの人形をもらってどうなるのか、が想像に託されているのでまぁ想像しちゃいますよね、悪いことあれやこれや。
というかこの後どうにかさせろ、という僕の心もドロドロ。

5.閏プチョヘンザ/百百百百
勢いで全部持ってかれるというか僕は何を読んでいたんだ?
こういうのは才能の塊であると思うしこういうのでしか得られない栄養分があると思うのでそれが得られて満足です。
最初タイトルのプチョヘンザってなんやねんって全然わかんなかったけどPut your hands upかってようやく気付いて、これがどう内容に絡むんかって思ってたらプチョヘンザ-ッ! って除霊(?)が始まって腹筋が逝った。

6.傀儡女白蓮/鉈手璃彩子
書き出しから切れ味鋭くて主催者がしっかり引き締めてるぅとなりました。
これまた救いのないお話でドロドロとした何かを摂取できるわけですが、このアンソロ、だいたい救いがないかぶっ飛んでるかの勢力に分かれてて別に示し合わせてるわけじゃないのに、と面白い。
どっちかというと学園もののイメージが作者さんには先行してたのですが古風な世界観がびっちりとはまっていて見事や、となりました。

7.究極の納豆/黄間友香
本アンソロの変化球&飯テロ枠……飯テロ、でいいよね。
(というか僕は偏食で納豆は食べ物ではなく細菌兵器だと思っているタイプなのでそういう意味ではまさにテロ。)
こういうのも頭が柔らかくないと書けないよなぁ、と文章の方には舌鼓を打ちました。
しっかり藁人形の方でも呪いが行われていてまごうことなき呪いの人形だったのには笑った。

8.かあ た んぼう/しのびかに黒髪の子の泣く音きこゆる
力作ですねぇ、トリを務めるにふさわしく、アカデミックからホラー実況まで断片を広く詰め込んで、読み応え十二分でした。
呪いの正体はずっとぼかされていてそれでも人死にがばんばん出るので怖さ不気味さ正真正銘のホラー。
あとがきにベースとなったエピソードあったけど、おすそ分けもだいぶ増幅されてる気もするけど元の話もだいぶ嫌。
その、なんだ、強く生きて。

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