• 異世界ファンタジー
  • 現代ドラマ

批評企画に参加して実力を思い知った話

 この記事は三鞘ボルコム様の『素人の書く、超☆激辛批評』(https://kakuyomu.jp/works/16818093073680804195)に拙作『偽聖女と断罪されて婚約破棄の上国外追放された私は、何故か隣国の王女様に溺愛されています。』でエントリーさせていただいた結果に対する自己分析、という名の言い訳になってます。
 みっともないことはわかってますが、ちょっと一人では上手く呑み込めなさそうだったので、どうかお付き合いください。

 まずはご批評をいただきました三鞘ボルコム様、ご多忙の中拙作に時間を割いていただきましてありがとうございました。
 三鞘ボルコム様はこれまでに同企画にて120作品以上の批評を行われているお方で、企画タイトルの通り舌鋒鋭く作品を分析されております。私自身、本企画をきっかけに素晴らしい作品に出会うことができ、その分析力の高さに驚くばかりです。
 そんな方から私の作品がどう見えるのかという興味と、高評価だったら嬉しいなという小さくない下心を胸に、随時募集中という批評大賞作品の中に私も飛び込んでいきました。

 今回エントリーした作品は、3年以上短編の二次創作を主戦場にしてきた私にとって初の長編ファンタジー作品です。自分自身でも何度も読み返して表現を練り直したりプロットを書き換えたりして、少なくとも自分にとっては読みたくなる面白い作品に仕上がったと思っていました。
 ありがたいことに1500名近くの肩にフォローをいただき、PV数も本気時時点で14万を超えており、かなり自信を持っていた作品でもあります。

 そんな作品に下された評価は『☆1』。4段階評価のうち下から2番目という低評価で、見事なまでに鼻っ柱をへし折られました。いや、自信過剰で本当にお恥ずかしい限り……。

 ★数はもとより、何より堪えたのが、主人公・アンジェに魅力を感じない、設定が雑、そして語彙力不足というご指摘ですね。

 確かに、アンジェの聖女として以外の面は冒頭5話までの時点で描いていませんでした。過酷な状況ながら必死に職務を全うする姿を描くことで満足してしまっていたのかもしれませんが、それでは絵に描いたような聖女のイメージの域を出られなかったということですね。
 アンジェの内面に触れる話は第2部から本格的にスタートさせているのですが、それでは遅すぎた、と……。ちょっと考えればわかりそうなのに、なんでわからなかったんでしょうねこの人。

 聖女についての設定も、私は聖女というものの成り立ちで説明に代えていたつもりでしたが、それだけでは不十分だったのですね。ご指摘いただいたとおり、アンジェの前までの聖女たちがどう過ごしていたのかは描いておりませんでした。そのせいで設定に深みがなく、ただの舞台装置のようにしか見えなかったということなのでしょう。
 もちろんこのアンジェが置かれている境遇にも理由があり、それを謎として残すためにあえてさらりと書いていたところがあったのですが、今なら謎であることをはっきりさせた方がよかったのかな、と思えてきます。……雑と思われるのは流石にちょっと悲しすぎるので……一応すごく考えて考えて練りに練ったつもりですし……。

 そして語彙力ですが……ある意味では、これが一番ショックだったかもしれません。
 言い回しや表現方法、用いる単語などについてはかなりこだわったつもりでした。冒頭から通して何度も読み返し、似たような言い回しが続いていないかも何度も何度も確認しましたし、少しでも違和感があれば徹底的に別の表現を考えていました。
 それでも語彙力の不足を感じさせるとなると、ちょっとこの世界向いてないのかな、とまで思ってしまいますね……。

 総じて、物語を楽しんでいただくのに必要なものを表現しきれていなかった、ということになるのかなと思います。そうなると、批評に出せるようなものですらなかったのかもしれませんね。本当にお恥ずかしい……。
 フォローとかPV数とかも結局、テンプレタイトルテンプレストーリーだから増えたに過ぎないのかなとも思えてしまって、ちょっと苦しいです。私の作品って何だったんだろうなぁ……。
 得るものは大きかったのですがそれ以上にちょっとダメージが大きい、ほろ苦いどころか泥水ばりに苦い経験となりました。

 正直筆が電柱のように重いのですが、途中で投げ出すつもりは毛頭ありません。私自身がアンジェとシャルロット、またその周辺のモノ語りを誰よりも読みたいと思っているので、そこだけは断言しておきます。
 もう遅すぎるかもしれませんが、ここから先少しでもお楽しみいただける作品にできるように力を尽くすのみです。

 ……ですが、できればちょこっとだけ、私の作品のどこが良くて読んでいただけているのか教えていただけるとすごく嬉しいです。
 何しろいただいたご指摘が全て的を火の玉ストレート165km/hで射ており良いところ全くなしって感じなもので、ちょっと心が苦しくてですね……。本当にもう、どんな些細なことでもいいから褒められたい……。
 そんな豆腐メンタルならそもそも批評なんか出すなって話なんですけど、だって自分でもこんなにへこむなんて思ってなかったんですもん……。

8件のコメント

  • 私個人の感覚なのですが、指摘事項を洗いざらい指摘することと創作者に前向きなモチベーションを与えることは両立できることなので、ひっちゃん様がそれほど心を折られたというのならばそれは批評者としては片手落ちなのではないのかなと感じます。
    一例なのですが、指摘とモチベーションアップの両立をなされている方としてフィンディルさんという方がいらっしゃいますので、そちらを見てみるのもよいかもしれません。
    活動は短編専門ですが、他の方への感想を読むだけでもレベルアップとモチベーションアップにつながる指摘が満載です。
    有料での活動もなされている都合でカクヨムにリンクを貼ることはできないので、ご興味がありましたら「フィンディルの感想」で検索いただければと思います。
    創作の一番の喜びは自分自身が楽しく活動できることだと思いますので、これからもひっちゃん様が楽しく活動されることを願っています。
  • 雨蕗空何様、コメントありがとうございます……!

    大前提として激辛を謳う批評企画に自ら飛び込んだ私の自業自得でしかありませんし、おそらくまだ感情が追い付いていないだけだとは思っております。
    少し時間がかかりそうですが、ゆっくり飲み込んでいければ。
    ご教示いただいた方についても、少し検索してみますね。

    こんな超ネガティブな記事にコメントいただきまして、本当にありがとうございました……!
  • 最新話まで拝読させていただいているいち読者としては、にこなでという物語に“期待”を抱いています。

    “これからもアンジェを取り巻く乙女たちの甘いひとときが見られるんだろうなぁ、でへへ”とか、“ふっふっふ、愚かな悪役どもめ。さっさとざまぁされてしまうが良い!”とか、ワクワクしてしまうのです。

    そういう“ワクワクする心”、つまり“期待”を抱けるのは、にこなでが魅力ある物語だからです。

    これはあくまで私個人の感想ではありますが、きっとこの物語をフォローしている千人超のみなさんも少なからずこの魅力を感じていると思います。

    そういった魅力は五話で伝えきれるものではなく、どっしりと腰を据えて描き、また読者もがっぷり四つで読み進めるからこそ伝わるものだとも思います。

    そしてまた、こう思えるのは、ひっちゃんさまの描くキャラや物語に間違いなく魅力があって、やっぱり私がそれに惹かれているからなのです。

    ……じゃなきゃ、あんな激長レビューコメント書かないよなぁ?! 甘ったれた事言ってるとトマトぶつけますよ!! ……冗談です。

    時には誰かの厳しい言葉に傷つくこともあるかと思います。それがたとえある種の善意によるものだったとしても。

    ですが、たった一人の誰かより、純粋に応援してくれるもっと多くの誰かがいるという事を、思い出してみてくださいね。

    相変わらずな私の日本語の下手さで大変恐縮ですが、これからの執筆活動も陰ながら応援していますよ。
  • 上埜さがり様、コメントありがとうございます……!

    すみません、ちょっとこんなにあたたかいコメントを頂けるとは思っておらず……とりあえずトマト投げ返すのはやめてもろて……笑

    最新話まで追いかけてくださっていること、本当に嬉しいです……!
    正直完全に自信を失ってたので、お言葉が心に沁みます……。

    思考が完全に負の方向に流れてしまっていて、ちょっと疑心暗鬼になっていた気がします。レビューもコメントもいただいてるのに失礼な話ですね……。

    ちょっとまだいろいろ頭の中をぐるぐるしてますが、純粋に応援してくれる多くの方がいるということ、胸に留めておきます。
  • いいねもコメント書くのも躊躇する内容で草www
    いや草に草生やしてる場合じゃねぇ!えらいこっちゃ!てなったんで仕事中だけどコメントします!
    クソ雑魚変態ナメクジのコメントで何になるんかわからんですが……

    スゥゥゥ……はぁ!?☆1!?なに見てたん???の気持ちと、そんな真剣に受け止めるひっちゃん大先生のお姿に心が痛すぎて悲しい気持ちでいっぱいですん。リアル涙出て恥ずかしい!
    好きな作品なのに……としょぼんとしてから、いや面白いが!?てひとりキレてるのが現状です。

    好きな理由述べるから心して聞けえ!!!
    まず私にどストライクだからだ!(おい
    テンプレ上等!むしろ好き!タイトルもあらすじも本編もわかりやすい!語彙力だ?わかってねぇなあ!我々のレベルに合わせて豊富な語彙をブッパせず抑えて下さってわかりやすい表現にしてるんだろーが最高かよ!そして何より魅力的なキャラクターが織りなすストーリー!激しすぎないちょうどよい塩梅の百合!関係性にもえる!シリアスとコメディのバランス!滲み出るえろす!コンセプトもはっきりしてる!読んでてワクワクする展開の数々!アンジェたちの成長にママ感激ですわよ!
    まあ色々書いたけどほぼ言語化できてないんだよなあ……好きだから好きだし!

    だから困るんだよ筆が電柱になったら!(なってない)
    それより私を電柱にしろ!
    向いてるか向いてないかじゃない、やりたいかどうかだろーが!
    いつも楽しみにしてるんやで!
    一読者(信者に近いかもだけど)として、全裸待機で応援してるで!
  • spade13様、コメントありがとうございます……!
    お、お仕事はちゃんとしてもろて……!笑

    ご心配をおかけしてしまい申し訳ございませんでした……。そして、こんな言い訳と弱音ばかりの記事にコメントいただいて本当にありがとうございます……!

    正直、批評結果を見た時に全てを否定されたような気持になってしまって自分でもびっくりするくらいに落ち込んでしまったんですよね……。受け止め方が超絶不器用なのかもしれません……。
    ですが、他の肩にもコメントをいただきましたし、spade13様からもすごく力強いお言葉をいただいたので、少しずつ気持ちは和らいできております。
    言語化できてないなんてとんでもない……! 具体的に上げていただけてすごく嬉しいですし、力になります……!

    電柱にするのはちょっとよくわからないですが……笑 やりたいかどうか、ホントその通りだと思います。
    それに、こんなに背中を押してもらって止まるわけにはいきませんもんね……!
    ちょっとここ数日完全に筆が止まってしまっていたので少しお時間はいただくことになりそうですが、何とか頑張っていこうと思います……!
  • 激辛批評を書いた、三鞘ボルコムです。
    私の感じた率直な感想ではありましたが、酷評を書いてしまい、ひっちゃん様に多大な心労を与えてしまった事にお詫びを申し上げさせて頂きます。
    誠に申し訳ございませんでした。

    他の方々が仰られるように、私の手落ちの部分もあったと思いますし、5話では作品の魅力が伝わり切らないというのも事実です。
    好き嫌いの問題であるのも否定のしようがありません。

    ただ言い訳ではありませんが、批評内で書いた事のある事ですが★1は決して「全く面白くない作品」という評価ではありません。
    多数の作品を批評する以上、他作品との比較の上で評価の基準を厳しめにした結果です。

    また概要欄でも書いておりますが、私は他作品を貶そうとは考えておりません。
    批評を見て、良い作品作りの糧として下されば嬉しく思いますが、落ち込んだりして欲しいなどとは思っておりません。

    そして私の意見はフォロー数から見ても1/1500の意見です。(フォローしていない読者を含めればそれ以下です)
    どうか、私の意見は無意味であっても構いませんので、気を落とされないで下さい。
  • 三鞘ボルコム様、コメントありがとうございます。

    まず、批評をいただいたことには本当に感謝しております。そして、きちんとした基準にのっとって評価いただいたことも、その結果私の作品が評価に値しなかったことも理解しております。

    実際、記事中でも触れておりますが、ご指摘をいただくまではアンジェのキャラクターを十分に描写できていないことにも、聖女周りの設定が表現しきれていなかったことにも全く気が付いておりませんでした。
    こういった気づきは、間違いなく他者から評価されなければ得られなかったものです。参加してよかったと、心から思っております。

    もちろんそういったご指摘事態も飲み込むには苦しいものがありましたが、何より辛かったのは自分なりに一生懸命練って表現したものを「雑」と断じられた点です。

    私は「雑」と言われた時点で、自分の捜索に対する姿勢や努力の全てを否定された気持ちになってしまいました。
    「つたない」、「粗が多い」ということであれば理解できます。これらの言葉は、作った成果物に対する指摘・評価だと思うからです。
    ですが、「雑」と言われるとどうしても「過程」を否定されているように感じてしまうのです。提出した作品ではなく、そこに対する姿勢自体を非難されているように思えてしまうのです。

    私は決して、自分の作品に対して手を抜いたり適当な仕事をしたりはしません。そのつもりで視覚障害という都合上発生しやすい誤変換の問題や誤字の指摘にも向き合ってきましたし、改善できるところがあればと思い批評企画にも応募させていただきました。
    そんな風にして取り組んできたという自負が、「雑」という一言で打ち砕かれたような気がして、苦しかったんだと思います。
    ……そもそも私がこのように感じてしまったこと自体が普通ではないのかもしれませんし、本当に雑としか言いようがない表現だった、ということであれば、完全に私の文章に非があります。最早返す言葉もございません。

    本来であれば、せっかくご批評いただいたのにこのような記事を書くことそのものが褒められたことではないでしょう。にも拘わらずコメントまでいただきまして、本当にありがとうございました。そして申し訳ございませんでした。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する