あけましておめでとうございます!
旧年中はたいへんお世話になり、ありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、文学フリマ東京39、お疲れさまでした……!
いきなり昨年の12月の話……いやでも、一応まだひと月前なんですよ! ひと月は経ってしまってますが……
ほんとうに大盛況でしたよね。新刊の翻訳詩集の委託をお引き受けした穂崎円さんがブースにいてあれこれお手伝いしてくださり、また笠木拓さんのブース【みなそこすなどけい】と合体配置でもあったので、会場を見て歩く時間もけっこうあるだろう、と思っていたのですが、ぜんっっっぜん、まっっったく、余裕がなく……開会直後と閉会直前に駆け足でワーッと用事があるブースだけを回る、のが精一杯でした……。体感としては、ひとりでブース運営していた文学フリマ東京38よりいっぱいっぱいだった気がします。なんてことだ……
そんなわけでお買い物もほとんどできませんでした。入手した本は以下です。
『恋とじて愛ひらく』(青葉える)
『聞け、天使の歌』(あずみ)
『Aセクシュアル表象の現在』(紫瑜)
『フランシス・レドウィッジ対訳詩集』(穂崎円)
『フィクトセクシュアルの視座から』(松浦優)
(敬称略・順不同)
なお、文学フリマの前日に本屋lighthouseさんで行われたイベント「父親の死体を棄てにいく 談話室」にお邪魔して、そこで『家父長制アンソロジー 父親の死体を棄てに行く』『まちうた 2024年9月号』『FROM THE HELL MAGAZINE Vol.3』『タコブネ』『Books(tore)witness you. 日記 エッセイ 書評 3』を購入しました。イベント当日より買ってたね……
久しぶりに再録や新装ではない新作、それも参加者十名以上のアンソロジーを携えて臨みましたが、おかげさまでほんとうにたくさんのかたに手渡すことができました。ありがとうございます……!
私の予想を大きく上回る頒布数だった『わかれについてのエトセトラ』だけでなく、『ロータス』新装2版をはじめ既刊もまんべんなく手にとっていただけた印象で、たいへん励みになりました。いつになく『胡蝶』が動いたのもめちゃくちゃ嬉しかったです。また在庫僅少だった『飛ぶ夢をみたことがない』は完売いたしました。ありがとうございます!!
東京ビッグサイト開催の最初の文学フリマにこれらの本を並べられたこと、心からよかったなあと感じています。
また、イベント前に「私とDP&Wの話をして!!!!」という謎アピールをした甲斐があり(??)会場でデッドプールやウルヴァリンの話ができて楽しすぎました……その節はありがとうございました……!!
文学フリマ東京38のふりかえり記事でもチラッと触れましたが、プロ作家・出版社・書店などのいわゆる「商業」的なブースの存在感も更に増していたようで(私は正直、イベント当日はそういう空気を感じる余裕すらなかった……)……このあたりのことについて、というか文学フリマというイベントについては私も思うところが大いにあります、が、それについては別の場所でがっつり書く予定があるので、ここでは深入りせずにおきます。
で、ここからは2024年の作文関連全般のふりかえりです。
2023年は振りかえり記事を書かなかったので、何かあればついでに書いておこう……と思ってざっと見てみたのですが、たぶん2023年はまじで新作とかまったくなく、既刊を持って文学フリマ東京36・37と参加しただけかな、と思います。生活に必死でそれどころじゃなかったんだろうな……
【商業のお仕事】
『友達以上、推し未満~アイドルオタク、推し似の美少女に言い寄られています』
作:柳川麻衣/絵:sono.N先生
全10巻刊行予定 電子書店にて1~8巻まで配信中
”突然だが助けてほしい。アイドルオタクの残念な女子大生の私は、アルバイト先の予備校で知り合った日南子のことを密かに意識していた。日南子の顔が、推しにめちゃくちゃ似ているからだ。あまりに似すぎているので、時折その姿を眺めるだけで充分に至福。むしろ変に仲良くなってアイドルオタクだとバレるほうが怖かった。ところが突然、日南子からのお呼び出しを受け…。「わたしとお友だちになってくれませんか?」と、推し似の美少女が無防備な笑顔で迫ってきます。私の脳の回路は混線しています。”
2024年7月(一部6月より先行)配信開始になりました、電子書籍の新作です。コミュニケーションに難ありな大学生たちが予備校バイトでバタバタする百合です。
『オフィスに百合は咲きません』と同じスマートフォンでの閲覧に最適化したレイアウト、かつ挿絵がふんだんに入るカードノベル(コミックノベル)という形式で、1画面に14字×10行というレイアウトだからこそ面白く読める小説を目指して頑張りました。オタク主人公のいちいちうるさい脳内をお楽しみいただければと思います。
挿絵は最高にかっこいいバディ百合をお描きになっているsono.N先生がご担当くださっています。ヘタレ気味オタクの璃央ととにかく顔がいい日南子をはじめ、どの登場人物も「ほんとうにそこにいそう」なリアルさがあり、魅力的ですごくかわいいです……ありがとうございます……!!
2022~2023年にかけて書いていて、2024年にようやくリリースになったという感じです。最新の8巻はけっこう話の山場でして、9・10巻の刊行のお知らせも順次できると思います。よろしくお願いします〜〜〜!
【同人誌・企画など】
『ロータス』新装2版
もう刷り増ししなくていいかな……とも思っていたのですが、内容・造本など大々的に見直しをし、新装2版として二年ぶりに紙の本にしました。カバーはバプリックドメインの絵画を使って新しくしています。
やはりイベントでこの本を並べていると自分でも安心感があり、とくに初めてのビッグサイトには持っていけてよかったです。「どうしても紙で持っていたくて」など、ブースにいらしてくださったかたからもうれしいコメントを幾つもいただき、ほんとうに励まされました。
あわせて、最初に連作をまとめたときに出した『スイッチド・オン・ロータス』という副読本的な冊子をベースに『ロータス・ノート』という冊子を作りました。平田有さん・魚虎サチさん・西川火尖さんによる短歌と俳句も収録しています。
『わかれについてのエトセトラ』
この本についてはこの記事やこの記事をご参照ください。たくさんお手に取っていただき、ほんとうにありがとうございます!
この2点は現在、本屋lighthouseさん(『わかれについてのエトセトラ』のみ)・日々詩編集室さんでも取り扱っていただいています。選書基準など、理念に共感するところの多い書店さんにお声がけいただけたこと、とてもうれしく思っています。
とくに『ロータス』については、初めて置いていただくのが日々詩編集室さんであることがたいへん感慨深いです。
【2025について】
イベント参加は、2025年5月11日の文学フリマ東京40のブースを既に確保しており、これが次回になるはずです。2024年は5月と12月の文学フリマ東京のみでしたが、今年は文学フリマ香川にも参加したいな~と思っております(ブース獲得が激戦という噂なので頑張りたい……!)せっかくアンソロジーを作ったので地方にもいろいろ行きたく思っていたのですが、うっかり海外旅行の予定を入れてしまったのであまりあちこち出かけるのは厳しいかもしれず……すみません……
また、文学フリマ東京40では新作を持っていくつもりです。フィクトセクシュアルを自覚してからの、自分の「恋愛」についてのエッセイ本を作りたいです。
2025年の抱負は「小説を書く」です。2024年は本も作ったし、エッセイはちょこちょこ書いたし、この数年ではかなり目に見える活動ができたと思うのですが、いかんせん小説を書いていないんですよね……一文字も……(!)
文学フリマでも「新しい小説はないのですか」と訊ねてくださるかたがいらして、心苦しい気持ちになりつつ、すみません……と答えているのですが、私が書く小説を読みたいと思ってくださるかたがいらっしゃることは心からありがたく、心強いです。
今年こそは書きたいです。ありがたいことに、すでに小説の締切がひとつ控えているので、予定どおり頑張れれば小説の新作をお目にかけられるかと思います。
2023年は一年に3回転職をするはめになったのですが、三度目の正直で3回目の転職先(現職)では今のところ穏やかに過ごすことができており、生活は飛躍的に安定しました。家族の大病などもありつつ、作文をする環境としては劇的に改善されたと思います。あとはこの絶望的に散らかった部屋が片付きさえすれば……
虐殺、戦争、気候変動などなかなか明るい展望を持ちづらい時代ですが、個人レベルではなるべく元気に、できることをやっていければいいなと思います。