• エッセイ・ノンフィクション
  • 現代ドラマ

楽しませるということ

以前この近況ノートで、創作論的な話になり、とても考えさせられるコメントをたくさん頂戴しました。ありがとうございます!

そこで本日は、創作論を語ってみたいと思いましてよ。


えー、かの山本周五郎先生は、「優れたエンターテイメント作品を書くためには、推理小説の構成を勉強することが要諦」とおっしゃったそうでございます。

しょっぱなから自分の言葉ではなく偉人の言葉をひっぱってくるあたりが嫌らしい。
「だって偉い人が言ってたんだモン」という態度が大変嫌らしい。

序破急でもなく起承転結でもなく、もちろん三幕でもなく、推理小説の構成を学べと。

でもさ。推理小説ったって構成はいろいろですよね。山本先生はどういう推理小説をイメージしておられたんでしょうね。漠然としております……。

私、推理小説ってあらゆる小説のジャンルの中で一番読者のことを考えて書かれた小説だと思っております。どんな構成であれ、親切でフェアでサービス精神たっぷりで書かれていることに変わりはない。

私がお金を出して買う本のほとんどはミステリなんですが、なんかこう……お金を出しても惜しくはない、いや出すべき、みたいなね、そんな気持ちになるんですよね。すごいサービスしてもらうんだから、こっちもお金ぐらいは出さないと、みたいな。
あと、ミステリは最高のタイミングで読みたいから、手元に置いておかないと困る、というのもありますね……。返却期限を気にしながら読むのはもったいないでしょう。

話がそれちゃったけど。
山本周五郎先生は、読者を楽しませる構成について考えることが大事だとおっしゃったのかもしれません。


「楽しませる」ということ。なかなか難しそうです。できるかどうかわかりませんが、やってみようと思います。
というわけで長編を書き始めました。恋愛要素のない現代物だよ~。書く書くと言い続けて、やっとだよ!
最後まで走り抜けられますように!
ここに宣言することで、自分を追い込みたい。ダイエットと同じで、すぐ挫折しちゃうからさ。

というわけで、怒とうの近況ノート更新も、ひとまず落ち着きそうです。

4件のコメント

  • 私も小説にはミステリー要素入れるようにしてますよ。成功してるかどうかはわからないけど
  • 月森先生、こんばんは!

    やはりそうなんですね! ミステリー要素が……。読者を楽しませることをたくさん考えて、そうして面白い作品はつくられていくんですね。ああ~!!なんだか視野が広くなった気がします。ありがとうございます!
  • ミステリ、たくさん読まれてるんですね……!
    米澤穂信とかは氷菓の頃から読んでたっけなあ。『遠回りする雛』あたりがラストアップデートになっちゃってますが。小市民シリーズの方だと夏……いや秋までは読んだっけ……? 読み切りだと『折れた竜骨』あたりまでな気がします。

    ミステリとお話全般、にまつわっての話だと、様式美と謎は大事ダヨネーみたいなことが記憶に残っています。どこで読んだのだったか……。

    様式美の方は、「探偵役と女房役と引き立て役、ホームズとワトソンとレストレード」みたいなやつのことで、「コンビありきで片方を“ボケ”とか“おもしれー男(女)”にぶっちぎっといて、女房役をツッコミ役にすることで面白く読解にムダな負荷を作らず、安心感を出す」みたいな話だったはず。
    引き立て役は「その世界の“平凡”ではこれはクリアできない、できるやつはホントやばい」を感じてもらうためのポジで、クイズバラエティとかで出てくる芸人枠とかそういう。

    謎はもうそのまんまで、
    「話的には好きなキャラ出てこないくだりとかあんまそそられないくだりで読みさしちゃったけど、あの二人の恋の結末が気になるから読むかー」
    とか
    「ちょっとした気になる“で、どうなったの?”を追っかけてる内にキャラのこととか関係性とかテーマとかが頭に入ってきてもう読む手が止められんなー!」
    みたいなことだったと記憶してます。

    現代もの、どう書かれるか注目して動向おっかけますね!
    どんなものを書かれるのか……。
  • 伊草いずくさん、こんばんは!

    米澤先生、大人気ですよね。読みやすいし、魅力的なキャラも出てきますし。

    様式美ですね!
    私は「間取り」の説明が始まると、キタキタキター! と興奮します。これぞ様式美。平凡な高校生が主人公であっても、事件現場に到着すると突然建築に詳しくなって、窓の種類をすぐに言い当てたり、シャンデリアの重量について理解していたり。基本博識なんですよね。でも、そこに文句を言うミステリファンはいない……はず。

    あと古典的なミステリとは違うけれど、サスペンス系のミステリもありますよね。
    私は『ゴーン・ガール』とか『ザリガニの鳴くところ』とか『われら闇より天を見る』とか『その女アレックス』とか、こういう……破綻、絶望、欲望、かすかな希望、そういうのが好きなんです。
    これらは現代ドラマと何が違うんだっていうと、やはりストーリーのど真ん中に謎がある。ハラハラする緊張感が用意してあって、謎を解き明かしていくなかで人間ドラマが展開する。
    伊草いずくさんがおっしゃるように、まさに謎をうまく使うことで、ヒューマン・ストーリーを引っ張るということなのかもしれませんね。

    今書いてるやつ……どうなるかわかりませんが、とにかく完結目指して頑張ります。ありがとうございます!
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する