こんばんは~、新しい職場に入って三日目、日々翻弄されている春木です。
短編小説「宇宙の墓場同好会」を投稿しました!1万字弱です。
リンクこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/16818093076339439542
某競作企画にてご指摘いただいた点を踏まえ、加筆・修正してカクヨムの方に掲載させていただきました。
満宵のように、私も「1億円欲しい」くらいのノリで死にたくなることがちょくちょくあります。「宇宙で死にたい」という変わった人たちの話を書くことで、「理想の死」についてカジュアルに考える機会になればと思って書きました。
ちなみに、私の希望の死に場所は中性子星、中でもミリ秒パルサーで死にたいです。
中性子星は、恒星の一生の最後に起こる超新星爆発によってできる、非常に高密度な天体です。中性子が主な成分の星で、直径が20km程度にも関わらず、太陽ほどの質量を持っています。パルサーと呼ばれる電波やX線を周期的に発する天体は、その正体が中性子星であると考えられています。
ミリ秒パルサーは、自転周期が1ミリ秒から10ミリ秒の間という、非常に速い回転をするパルサーです。このパルサーは、非常に正確に時間を計ることができ、最高精度の原子時計よりも正確です。この性質を使い、天文学の分野では様々な天体の検出にこのパルサーが使われています。
私がそこで死にたい理由は二つあります。
一つ目は、前述のようにミリ秒パルサーは人間に役立つ天体だからです。実際に中性子星で死んだ場合、身体はバラバラになりますが、その一部は中性子星に吸収されます。死後も人間の研究に役立つことができるので、墓場としては最適だと思います。あくまで個人的には。
二つ目は、中性子星はめちゃくちゃ長寿命だからです。中性子星の寿命は、地球や太陽の寿命より遥かに長いため、地球が存在する間は絶対に無くなることがありません。なので、地球にいる人にとっては墓参りが簡単です。ミリ秒パルサーがある方角を向いて、手を合わせてもらえればそれでOK。墓の掃除などは一切必要ありません。墓じまいとかの面倒も無し。これは大きなメリットだと思います。
【以下あらすじ】
春も深まったある日、恋人と別れ厭世的になっていた主人公の天野満宵(あまのまよい)は、変わったネット上の集いを発見する。その名も「宇宙の墓場同好会 」。興味本位で参加してみると、そこは「死ぬ時は宇宙で死にたい 」と考える、変わり者たちの集まりだった。
登場人物の選ぶ「死に場所」から見える、個々人の価値観や苦しみ。満宵はそれらに少しずつ共感を覚えていく。
最後に脱退を宣言する参加者の一人。それを聞いた同好会の会長は、彼にこう告げる。「もし何かの拍子に死にたくなったら、またここにおいでなさい。飽きるまで語りつくしましょう。あなたが、星になる時まで」
死に浪漫を求める夢想家たちの、現実で生きることの苦しみを分かち合う異色のストーリー。