『波間に咲く桔梗』
https://kakuyomu.jp/works/16816700426418025303お題:浜辺の漂流物
ジャンル:悲恋
「お前ってさ、たまに海のほうを見てるよな」
友人からそう言われる建人(けんと)。
海が気になるのは、きっとあのひとのせいだ。彼女はまるで、白い桔梗の花のようなひとだった。
十七歳の夏に出会った、忘れられない女性との記憶。
…………………………………………
【主人公】
名前:建人(けんと)
あだ名:ケン
若干チャラい。普段はへらへらしている。授業サボりがち。
年上の綺麗なお姉さんに弱い。
何事にも要領がよく、宿題は学から見せてもらえばいいと思っている。
運動部に入ってそうだけどたぶん真面目にやってない。
学とは小学生の頃からずっと仲が良く、2話では一緒に夏祭りに行った。
祖父が大工なので「建人」と名付けられた。おじいちゃん子。
飼い犬の「茶太郎」は、4話目の主人公である悠太が拾い、建人が引き取った。
「ケン」の名前と「茶太郎」の話題は4話目にも登場する。
【執筆裏話】
5作品の中もっとも反響をいただいた作品です。
自分の作品では珍しくアンハッピーエンドになりました。
主人公の建人(ケント)はチャラいという設定ですが、蓋を開けてみればわりと真面目っぽい感じに。根はいい子なんです。犬の散歩も欠かさず自主的に行っています。
物語に登場する女性の婚約者は太平洋で海難事故に遭い、命を落としました。
それ以来、仕事の休みには海に出かけ、婚約者の遺品を探してあちらこちらの海をさまよっています。
夫でもなく恋人でもなく婚約者にしたのは、死別したときにもっとも強く未練が残ると思ったからです。
例によってアイディアがすぐには浮かばなかったため、まずはノベプラでいくつもの参加作品を拝読しました。
私としてはSFが書きたくてタイムトラベル路線で考えていたのですが、残念ながら話がまとまりませんでした。
「浜辺の漂流物」というお題から、「登場人物がいかに面白い漂流物を拾うか」がポイントだと思っていたのですが、実際に書いてみると何も拾わない話ができました(建人は普通にゴミ拾いしてますね)。
なるほどこういうお題の使い方もありか~、と、これを書いている今、ひとり納得しています。
(´∀`)
また、この作品を書くにあたり、取材と称して海を見に行きました。
本当はただ海を見たかっただけです。
そのかいあってか「嵐の海に迫力があった」とお褒めの言葉をいただきました。
実際には、漂流物の写真を撮るのに夢中になって、海はあまり見られなかったのですけどね。
その時の様子がこちら。いろいろな漂流物が落ちていて楽しかったです!
『浜辺の漂流物観察日記』
https://novelup.plus/story/520492918作品を書いている途中はいつもファイルに仮のタイトルをつけて保存していますが、この作品には『海の幽霊』とつけていました。米津玄師さんの曲のタイトルですね。
この仮タイトルのおかげで、物語全体の雰囲気がうまくまとまったような気もします。