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気をつけたい悪文

最近気になった悪文について、自戒を込めて考えてみたいと思います。

例1
「私は丁寧に淹れられたコーヒーを飲みながら、佐藤さんによって語られる昔話に耳を傾け、田中夫婦がどんな暮らしをしていたのか思いを馳せるのだ。」

淹れられたのは「コーヒー」。
コーヒーを飲むのは「私」。
耳を傾けるのは「私」。
語られるのは「昔話」。
暮らしていたのは「田中夫婦」。
思いを馳せるのは「私」。

日本語としての誤りはありませんが、一文の中で主語が何度も変わるので、少し読むだけでとても疲れます。
基本的に主語は固定したほうが読みやすい文章になるのですが、意識しながら書かないとついやってしまいがち。


例2
「空き地には空色のベンチが置かれていた。」

「空き地」と「空色」。
文法的には何ひとつおかしくありません。
ただ、「空」という文字が連続して出てくるので、いちいちそこで目が止まってしまいます。

おそらくこれは、校正作業で「重文」を見つけ出すため同じ漢字が連続している部分を探す癖があるからだと思います。
(たとえば「行動を行った」だと重文になるように。)


もちろん、普通に読める、あるいは気にならないという方もいらっしゃるでしょう。
ただ、全員がそうではないと思います。
私の技術を尽くし、「読める文章」ではなく「読みやすい文章」を目指していきたいと思います。

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