この週末、推しのグループのライブに行ってきた。
デジタルチケットにも、ようやくほんの少し慣れてきたものの、当日無事入場券を受け取るまでは不安のかたまりで。
開場時間の1時間ほど前に着いたので、グループのメンバーの写真がボディーにプリントされたツアートラックや、メンバーそれぞれの写真が大きな幟になったものが飾られているコーナーもあり、この幟をグッズで売ってくれたなら。と何度も思いつつ写真に収め、炎天下、トラックと石垣の陰で、開場を待った。
暑さのためか、予定時間より10分ほど早く開場。
今日の席はけっこう前の方で、双眼鏡も望遠鏡も使わない方が見やすそう。ドームに比べると遥かにコンパクトで、花道にも案外近い。
十分な予習をしていなかったけれど、関係なくめっちゃ楽しめる雰囲気。しかも着席シートなので安心して座っていられる。前にドームでてっぺんの方で転げ落ちそうな急斜面の座席なのに、前のひとが立ってしまって、やむなく恐る恐る自分も立った記憶があるので、はじめから着席シートの方が安心だ。
会場が狭いので、ありがたいことに、何度も推しがすぐ目の前に来る。途中、自分の座席の後方に、スタンドトロッコに乗った他のメンバーがきたので、せっかくなので見ておこうと首をひねってみていたとき、ふと横目で前を見ると、なんとイチオシの彼が、目の前の花道をやってくる。あかんあかん。よそ見てる場合ではない。急いで、彼の色のペンライトを振る。一生懸命振る。必死で握っていると、知らない間に、他の色のボタンを押してしまって、色が変わっているときがあるので、間違いなく推しの色になっているか、横目で確認する。うちわを胸元に掲げる。歩き去って行く後ろ姿を目で追いつつ、大型モニターにアップで顔が映る瞬間は、そこも要チェックだ。必死で目で追う。ふと気づくと、他のメンバーがリフターで、花道からぐんぐんせり上がってきて目の前に立っている。おお。こんな近くに。
驚きつつ悩む。
う~ん。目の前で笑顔で手を振ってくれている人の色を灯してあげた方がよいのでは? 目の前で違う色を灯して自分を見ずに遠くを見ているひとがいてたら、なんかちょっとさみしいんちゃう?どうしよう? 迷う。
でも、向こうの方で推しが踊っている姿が見える。あ、モニターに顔も映っている。あ。笑ってる。あ。ソロパートや、あ。このフレーズ大好き。とめっちゃ気もそぞろになる。
やはり目が2コでは足りぬ。3コでも足りぬ。メンバーの人数分は必要だ。だが、次の瞬間思った。もし自分にメンバーの人数分の目があったとしても、おそらく、その全部を使って、推しをひたすら見つめるだろう、と。
そう。推しを見るために私はここにいる。他のメンバーも全員見ようなんて欲張ってはいけない。
そう思い、そのあとはひたすら推しのメンバーカラーを灯し続けようと決める。会場に一つでも多く、推しの色を灯したくて、公式ペンライト以外にも、手持ちのペンライトを動員して、彼の色を灯す。
推しが歌う踊る笑う話す。今この瞬間、間違いなく、手を伸ばせば届きそうな目の前に彼が存在している。
ほんまに生きててんな。この世におるねんな。
なんて可愛くてきれいでカッコよくて、素敵なんだろう。
そう思ってじっと見ていた。
そして、ある瞬間、ふと推しの背中、肩の辺りを見たとき、ある気配を感じた。それは、真剣に仕事に打ち込んでいる人の気配だ。彼がこの仕事をしっかりやり遂げようと強い責任感を背負っている、そんな気配だ。
華やかなステージを笑顔で駆け巡り、フライングで宙を舞い踊り、かっこいいも可愛いも全部詰め込んで、観客の応援に応える彼ら。メンバーたち全員の熱い思いが伝わるステージ。推しの彼の歌やダンスは、まるでミュージカルを見てるような情感豊かな表現力を伴って印象的だ。
魅力的なパフォーマンスに加え、推しの彼は、会場全体、ステージの進行、機材の状態、メンバーの様子、すべてにいつも目を配っているという。今回のツアーの別会場では、機材の不具合にいち早く気づいてスタッフに知らせ、演出の変更をすることになったとも聞いている。そんな彼の背中に仕事を完遂しようとしている、真剣で厳しい空気を感じた。
そして、思った。
(ああ、だから、私はこの人が好きなんだ。だから応援したいんだ。ただ可愛いカッコいいから好きなんじゃない)
クライマックスで、会場中に一気にキラキラのテープがたくさん舞い落ちてくる演出のとき、みごとテープをキャッチできたのも、これまでで初めてのことだった。
あっという間の2時間あまり。
やはり、迷わず、推しの色を灯そう。ずっと。
そう思った。