砦から人を救い、財を押さえた効果は、すぐ商売に返ってきます。
救出の評判が広がり、11月25日便には221台もの申込みが集まりました。
助けたという話が、そのまま「田家に頼めば無事に着く」という信用に変わったわけです。
護衛は力だけでは続きません。
客が増えてこそ、兵も食わせ続けられます。
このページでは、その循環が数字で見えてきます。
帳面の上では、銅銭が2,731貫、銀換算で1,846貫。
さらに宝飾などの評価は約1,170貫、砦の物資は別勘定です。
つまり現金だけでなく、換金できる財と実用品の両方が田家へ流れ込んでいます。
これを見た田朔は、兵の拡大について
「まず150人へ。候補は200人分探せ」
と命じます。
すぐ200人にするのではなく、まず150人まで現実的に増やし、その先の候補も押さえておく。
勢いに任せず、伸ばしながら備える判断です。
そして月末には、田朔の流動資金は7,000貫を大きく超えました。
第一章で数百銭、数千銭をかき集めていた頃を思えば、まったく別の段階です。
この4ページ目は、砦の攻略、財の獲得、救出の評判、商隊の申込み増、兵の拡大がすべて一本につながった締めになっています。
田朔はもう単なる商人ではありません。
荷を動かし、人を抱え、山道と兵まで自分の力へ組み替える段階へ入っています。