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レベル上げと1万時間の法則

こんばんは、埴輪です!

……なんか、「真・漫画原作小説コンテストへの道」⑤ ~落選~のPV数が急に伸びたのは何なのだろう……!

うん、世の中は不思議なことだらけですな!

さてさて。

昨日に引き続き、MMORPGと現実世界について書きたいと思います!

MMORPGの大きな楽しみの一つが「レベル上げ」です!
「何を言う、レベル上げなんて面倒なだけだ!」という人もいるでしょうし、FF14でも中国だか韓国だったか、一気にレベルを上げる課金アイテムがあったと思います。
ただ、レベル上げという過程は面倒でも、単純に「レベルが上がる」ことは楽しいのではないでしょうか?

はてさて。

「レベル上げ」の何が楽しいかと言えば、「成長すること」ないしは「成長が実感できること」だと思います。
また、そこに至る過程が数値として明確なことも、「今日はこれだけ経験値を稼いだぞ!」「あともうすぐでレベルアップだ!」と、大きなモチベーションにつながっていると思います。

でもって。

これを現実世界で考えてみると、成長の過程(経験値稼ぎ)とその結果(レベルアップ)がとても不透明であることが分かります。
もちろん、現実世界でも勉強をすれば成績は上がりますし、スポーツも練習すれば上達します。
ただ、これだけ勉強すればこのレベル、これだけ練習すればこのレベルという明確な基準は存在しません。
また、同じだけの勉強、同じだけの練習をしても、同じように成長するとも限りません。

現実世界では勉強であればテスト、スポーツであれば試合というものがあり、結果という形で自分のレベルを知ることができますが、それは逆に言えば、結果を出さない限り、自分のレベルを知ることができないということにもなります。

ここでMMORPGのレベル上げと、現実世界の勉強や練習を比較すると、実際に行う内容はともかくとして、その明確な違いは「成長が目に見えるか見えないか」という一点に集約されます。

……ただ。
それだけであれば、現実世界でも結果を出さなければならないという条件はあるものの、テストや試合によって自らの成長を知ることができることはすでに述べました。
それなのに、ついつい現実世界の勉強や練習をおろそかにして、MMORPGでレベル上げしてしまうのはなぜなのか。
レベル上げの楽しさが成長であるならば、現実世界でもそれは同じなのですから、両立するのも簡単なはずなのに、ついついMMORPGのキャラクターを成長させてしまうのはなぜなのか。

その理由こそ、MMORPGと現実世界における成長の最大の違いであり、それは何かと言えば、「成長するのに必要な時間の長さ」です。

MMORPGは、昔に比べてレベル上げが格段に楽になりました。
FF11の頃は、3~4時間のレベル上げPTを組んでもでレベルが上がらないこともあったのに、FF14ではクリアまで30分もかからないダンジョンをクリアすれば、大概レベルは上がります。
FF14ではレベル上げの手段も豊富に用意されており、一人ではレベル上げができないなんてこともありません。(FF11では獣使いじゃないと一人で満足にレベル上げができませんでしたからね……!)

個人的にはFF14はレベルが上がるペースが速すぎるように感じていますが、レベル上げの過程はどんどん省いて、とにかく最高レベルになってからスタートというのが、MMORPGの主流のようです。

この傾向が何を意味しているかというと、レベル上げという過程よりも、レベルアップという結果をユーザーが求めているということになります。
すぐに強くなりたい、すぐ結果を出したいというのは誰しも思うことですので、こうしたニーズに合わせていくことは、MMORPGを商売として成り立たせていくためには、必要なことだと思いますし、この流れは自然なことだとも思います。

その一方で、現実世界で成長するためには、とにかく時間がかかります。
また、英語のように義務教育で何年も勉強しているはずなのに、全然英語が使えるようにならないといった、結果を伴わないこともあります。

……と、さらっと書いてしましましたが、現実世界の勉強や練習が長続きしない、楽しめない最大の原因は、この成長に時間がかかるという点ではないかと思います。

また、現実世界の勉強や練習には明確なゴールというものがないということも、成長に時間がかかるという感覚に拍車をかけているように思います。
この点は、「資格を取る!」とか「優勝する!」とか、明確な目標があると頑張りやすいということからも、確かなことではないかと思います。

これらを踏まえて考えると、現実世界で勉強や練習を楽しく行うための方法として、「目標を設定する」というのはかなり有効なのではないかと思います。
何を当たり前のことを……と思われるかもしれませんが、この誰もが当たり前のようにやっているようで、当たり前にやれていないことにというものが、世の中には実に多いように思うのです。
それに、「目標を設定する」と一口にいっても、どのように設定するかは難しく、明確なルールも存在しません。

ただ、今何か漠然とやっていることがあって、それに相当時間を費やしているにも関わらず、明確な目標がないという状態に陥っていることがあれば、それを何のためにやっているか、そして、どこまでいったら終わりになるのかというのを見つめ直してみるのも良いのではないかと思います。

これは勉強や練習にかかわらず、全てのことに当てはまると思います。
なぜなら、生きていることは全て勉強であり練習なのですから……となると、最初考えていた以上にテーマがでかくなるので、この辺で自重します!

そこで最後に……と、これを書きたかったんですが、前置きが長くなりました。

以前にも近況ノートで取り上げた「1万時間」の法則というものがあります。

世の中の様々な分野で成果を出している人は、必ずその分野に対して「1万時間」をかけているということで、ざっくばらんにいうと、どんなことでも「1万時間かければものになる」ということだと思います。

例えば。

私が「プロの作家になるぞ!」と今思ったとして、毎日「1時間」小説を書くようになると、小説を書いた時間が「1万時間」に達するのは「約27年後」となります。

ちなみに。

私は小説を書き始めて約9年ですが、もし私が毎日3時間執筆を続けていたとしたら、今頃プロの作家になっていたはずが……そんなに書いてないよなぁというのが正直なところで、そう考えると現状にも納得です!

とにかく。

現実で成長するためには時間がかかります。
ただ、時間がかかるだけで、日々の積み重ねは確実に成長につながっています。

これが「経験値バー」みたいな感じで明確に見えればまた違うのですが……そうしたシステムが実現するにしても、まだ何十年も先だと思います。

そういった現状の中で、「1万時間の法則」というのは、「経験値バー」的なものとして作用するのではないかと思い、本日改めてご紹介させて頂いた次第です!

願わくば、「1万時間なんて無理だよ!」という諦めの理由ではなく、「諦めるのは1万時間やってからだ!」という目的になることを願って。

……で。

最後に余談ですが。

というより、書いている時に気付いてしまったのですが。

9年間、毎日3時間以上やっていることって何かと考えた結果、「MMORPG」というくくりで考えると、私はほぼ確実に「1万時間」を超えているはずです!

これも継続は力なり……ということかもしれません!

【補足】

1万時間の法則には諸説ありますし、様々な要因において1万時間かければ必ず成果が出るというものではありません。
ただ、人間の成長というものを考えた場合、1万時間という途方もない長さの尺度を意識することは有効ではないかと思います。
とにかく今の世の中はとにかく成果を早く求めるという傾向があります。
それだけ世の中のスピードが増しているということだと思いますが、そのスピードが速くなればなるほど、それについていけない人も増えてくると思います。
ただ、世の中のスピードの変化に合わせて人間が進化しているかといえば、そういうものではありません。
そうした世の中で、時間がかかることも確かに存在している……そう意識するだけでも、ちょっと世界が違って見えてくるのではないかと思います!

……冷静に考えると、ネットで注文したものが翌日届くスピード感って、便利な一方でそれが当たり前になるのは怖いとも思います!

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