• 異世界ファンタジー

【※ネタバレ注意】11章も遂に佳境となる妖魔山編が開始されました。

 【※ネタバレ注意】

 九大魔王のエヴィの生息が確認された『ノックス』の世界。その世界に訪れたソフィとヌーの両名ですが、紆余曲折の末に遂にそのエヴィの足取りを掴み『妖魔山』と呼ばれるこの世界に初めて妖魔達が生まれ出たとされる、山に居る事が判明しました。

 この世界に訪れた当初より、ソフィは『魔』の新たな使い方に目覚めて、既存の『魔法』から更に『理』を混ぜ合わせる事によって『魔法』の進化を感覚で会得しました。

 本来であれば別世界の『理』同士を合わせるために、複雑な『発動羅列』をいちから構築し直して気が遠くなる程の時間を費やして、導き出される結論への試行回数を積み重ねなければならないところをソフィは『感覚』であっさりと結論を出して『成功』を証明してみせました。

 これこそがまさに天に愛された『金色』の体現者として、認めざるを得ない才能なのでしょう。

 更には大魔王ヌーは大魔王ソフィに少し遅れる形ですが、この世界にきた事で人間である『エイジ』に『魔』の頂きに至る過程で、自分にはない発想や卓越した技術というものを違う側面から、これまで歩いてきた道程を考え直させられる程の効率の差というものに気づかされた挙句、同じく人間である『スオウ』に完膚無きまでの力の差というものを理解させられた事で、自分は見下していた『人間』という種族にさえ、劣るのだという事を認めさせられてしまい、強い者に種族は関係がないという事を根本から理解させられました。

 これ以上にない程に落ち込みをみせて、再起不能になりかけた大魔王ヌーですが、それを救ったのが彼が使役した『死神』である『テア』の存在でした。

 彼はその家族とも呼べる程までに信頼を寄せる事となった『テア』の言葉に救われて、今後の生涯を左右する程の道標を見つける事が出来て、見事に立ち直ってみせて『力』というものを本当の意味で会得。

 この『ノックス』の章とは、エヴィを迎えに行くというテーマに加えて、この両魔族にとっては、色々と気づかされる章となったのではないでしょうか。

 ――さて、11章も佳境です。

 このたった1章に凡そ、現実時間で1年半程かかってしまいましたが、作者が描きたいと考えていた大半を詰め込むことが出来たと思います。もし宜しければ最後までお付き合い頂ければ幸いです。

 作者 羽海汐遠。

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