カクヨムおすすめ小説vol.1【六作品】


◆始まりの魔法使い / 石之宮カント

◇あらすじ
原始時代の異世界で、竜とエルフが作る魔法の学校
神秘を探すことに生涯をかけ、何も見つけられずに人生を終えた男。最後の最後に念願が叶って転生を果たした異世界は、何もかもが未発達な原始時代だった。
魔法、魔術。
それを一から作り上げた男の物語。

◇感想
時間感覚も世界観も壮大。
新たな発見により世界観が一気に広がるのは鳥肌がたつ。見せ方も非常に上手い。
多くの出会いと別れを繰り返す物語は涙なしでは読めない。




◆迷宮クソたわけ / イワトオ

◇あらすじ
迷宮を彷徨うウィザードリィな青春。お先真っ暗。
奴隷狩りに捉えられた少年は商人に買われ、冒険者の道を強要される。
冒険者適性が壊滅的になかった少年は仕方なく、誰でもなれる(そして一番死にやすい)魔法使いとして迷宮に挑むのだ。

◇感想
厳しい世界で、持てるものはすべて使って生き残れ!
主人公のアはすぐに死んでしまいそうな弱い人間だが、だからこそ必死に戦う姿に共感し応援したくなる。
ファンタジーの厳しさが上手く描かれている。世界観もオリジナリティがあって面白い。




◆高嶺の花の小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる / 藤井論理

◇あらすじ
ある日、小戸森さんが自分は魔女であるとカミングアウト。しかも園生くんを魔法で『しもべ』にすると宣言した!
小戸森さんと『恋人』になりたい園生くんは、しもべになるわけにはいかないと彼女の魔法に抵抗する。
しかし小戸森さんの宣言は「自分に惚れさせて虜にし、園生くんから告白するよう仕向けたい」という気持ちの裏返しで……。
こうして鈍感男子と奥手魔女の噛みあわない恋の攻防がはじまった――。

◇感想
甘さ100%、嫌な要素一切無し。
読んでいて癒される。文章も軽快で読みやすい。
疲れたときなんかにどうぞ。




◆誰にでもできる影から助ける魔王討伐 / 槻影

◇あらすじ
これは……ビジネスだ
魔王クラノスが人類に宣戦布告して十年。
召喚された聖勇者、藤堂直継の栄えあるパーティメンバーにプリースト(ヒーラー)として選ばれた俺は、残りのパーティメンバーとして選ばれた二人、魔導師と剣士が原石であり、まだ第一線で戦える実力にない事に気づく。
果たして俺は魔王からの尖兵をしのぎ切り、勇者とその仲間達をレベルアップさせることはできるのか!?

◇感想
言わずと知れた累計一位。
当然文句無しに面白い。語る言葉ももはや不要。
理屈っぽさも少しあるが嵌まる人は嵌まる。
ただ、小説家になろうで掲載されている他の槻影さんの作品の方が個人的には好きなので、良ければそちらもどうぞ。




◆勇者のクズ / ロケット商会

◇あらすじ
チンピラの俺が女子高生勇者の家庭教師をやるハメになった件とビールとピザ
魔王化手術の横行によって、お金持ちのヤクザが「魔王」と化し、彼らを殺す商売が「勇者」として合法化した現代社会。
ビールとピザと、友達とのカードゲームを愛するチンピラ勇者・ヤシロは、三人の勇者志願の女子高生と出会う。
目先の金に目がくらみ、彼女らの家庭教師を引き受けたことから、ろくでもない危険な事件に巻き込まれる。

◇感想
いい意味でライトノベル的なオリジナリティを感じる(伝われ)。
普段あまり読まないジャンルだが、これは嵌まった。
アンダーグラウンドで退廃的な雰囲気が魅力。
キャラが立っていて良い。ヒロインは人を選ぶかもしれない。




◆彼女が好きなものはホモであって僕ではない / 浅原ナオト

◇あらすじ
高校一年生の春休み、僕、安藤純はクラスメイトの三浦紗枝がBL本を買うところを目撃してしまう。どうやら彼女はホモが好きなようだ。まあ、だからと言って僕は自分が同性愛者であることを彼女に明かすつもりはない。勘違いしてはいけない。彼女が好きなものはホモであって、僕ではないのだから
同性愛者の少年と腐女子の少女が織りなす奇妙な関係。ふざけたタイトルに反し、同性愛というテーマに真面目に取り組んだ作品になっております。

◇感想
青春小説として完成されている。
同性愛という正解が分からない問題だからこそ、読んでいて一緒に苦悩することになる。
言葉のセンスが良く、胸に刺さる言葉が多い。
興味がなくても是非。


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