• 現代ファンタジー

[完結]今だから言える登場人物の話2

【宇野美埼】
終盤で初登場したいわゆるラスボス。
動物も人間も死神も躊躇いなく殺し、実弟の樹と渚すら追い詰める極悪人。……と見せ掛けて、実際は自分の持つ異常性に苦しみ続け、誰にも理解されないまま狂ってしまった人間くさいキャラクターです。
美埼もこの優しくない世の中の被害者ではあったのです。しかし、だからといって彼女のしたことは許されるべきではないので、同情を誘う表現は必要最低限に留めました。
私は生まれ持ったものや環境次第で、誰もが美埼のようになり得ると考えています。

【天花寺理(ウラヌス)】
いつもニコニコしていて、何を考えているのか分からない、考えているのかすら分からない謎だらけのキャラクターになりました。
ウラヌスの抱える「事情」は、設定上は存在します。ただ、非常にデリケートな問題であるため、本編に出すのは断念しました。なのでここに書いてみます。
ウラヌスは昭和二十年に死亡しています。これで大体は察して頂けるかと……。
身体に障害のあったウラヌスの元に、赤い紙が送られて来ることはありませんでしたが、それは必ずしも良いことばかりではなく、侮蔑や差別の名目として利用される事例は珍しくありませんでした。天花寺一家もその被害者でした。
度重なる差別に憔悴していた頃、追い打ちを掛けるように住んでいた町が焼け野原になりました。ウラヌスはここで妻子と死別してしまいます。
この世界と人類を憎みながら、ウラヌスは同じ境遇かつ親友だったネプトゥヌスと共に、拳銃を使って自死をし、死神になりました。
……という、本編に入れるのも恐ろしい事情を抱えているのがウラヌスです。
ウラヌスの現在の性格は、心が完全に壊れた結果です。感情という感情がもうほぼ残っておらず、世界にも人間にも死神にも、なんの関心もありません。
鈴を樹達の課に加えたのも、普通の人ならたぶんこうするんだろうなーと考えたからに過ぎず、情によるものではありません。

そんな感じです。今回は重くなり過ぎたのでここまでします_:(´ཀ`」 ∠):_

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