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あけ・おめ☆なのである!(梶原一騎語訳)

親愛なる読者諸君!
あけましておめでとうなのである!
本年はいろいろ控えめに行く所存───

閑話休題(それはさておき)────
今日はなぜか、この墓林の兄を名乗る謎の人物が我が家にドッカと居座っているのである!
この鎮座せる謎の駄目人間と顔を突き合わせる事が苦痛なれば、一日中自分の部屋に引きこもり、かの剣聖・宮本武蔵先生に倣い座禅を組むといった塩梅!

なので、今日はヘミングウェイの「五万ドル」なる短編小を読んだのである!
とても面白く、この墓林の死せる魂を揺さぶる小説ではあったのである!

ヘミングウェイと言えば、この墓林が中高生の頃に学校教師が勧めてきやがるのは決まって「老人と海」であったが───、眠たすぎて投げたのである! 
鳴呼ッ!

老人と少年が海辺でうちゃうちゃやってる辺りで「つまんねぇ」と思いし日より、20年以上そちら系の文学作品は見向きもせぬものであったが、本日この墓林の著しく低いヘミングウェイ評価は昇竜の如く上昇ッ!

学校教師共も「老人と海」を勧めなどせず、この「五万ドル」をあの頃の筆者に勧めてくれればよかったのに、どだい奴等は「老人と海」しか読んだ事のない小市民( プ チ ブ ル )!
同人誌の如きペラッペラに薄ければ、それは読むのも容易き道理!

この小説を読み、梶原一騎神の気持ちが一寸のみ分かったような気がするのである!
ヘミングウェイの作風は、梶原一騎神のみならず池上遼一の劇画原作者とかに大きな影響を与えている、と思う次第なのであるが、剣呑剣呑!我が酒浸り拳法には重荷すぎるからしてさらばッ…!




(原文)
あけましておめでとうございます。
今年はいろいろ控えめに行きます。

今日はなぜか、私の兄を名乗る謎の人物が家にいます。会うのがイヤなので、一日中自分の部屋に引きこもっています。

今日はヘミングウェイの「五万ドル」という短編を読みました。とても面白く、私の心を揺さぶる小説でした。

ヘミングウェイと言えば、中高生の頃に学校教師が勧めてきやがるのは決まって「老人と海」でしたが、眠たすぎて投げました。
老人と少年が海辺でうちゃうちゃやってる辺りで「つまんねぇ」と思って、そこから20年以上そっち系の文学作品は見向きもしませんでしたが、本日オレの著しく低いヘミングウェイ評価は↑アゲ↑ました。

学校教師共も「老人と海」なんて勧めてないで、この「五万ドル」をあの頃の私に勧めてくれればよかったのに、どうせ奴等は老人と海しか読んでいないのだと思います。
同人誌みたいにペラッペラに薄いもんね、あの小説。
そりゃ読みやすいわ。

この小説を読んで、梶原一騎神の気持ちが少しだけ分かったような気がします。
ヘミングウェイの作風は、梶原一騎神のみならず池上遼一の劇画原作者とかが大きな影響を与えている、と思います。

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