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天崎古書店の初期の話

ようやっと無事に完結したので、一番最初にどういう話にすべきか、キャラの流れとかを掴むべく最初の流れを軽く書いたものを蔵出ししてみます。
こうしてみると初期は全然キャラが違うので面白いです。
特に本編と関連性はないので、適当なおまけだと思ってお読みください。

 とある日の昼下がり。
 私、天崎朝美は紅茶を飲みながら奥まったレジの向こうで本を読む。
 古本屋での元々少ない仕事がひと段落し、ひとりでゆったりと過ごす時間。
 この時間は立地的に日差しも少なく薄暗いひんやりとした空気がとても心地よい。
 それが私の好きな静かな時間……だった。かつては。

「朝美姉ちゃーん、ジュース出してジュースー」
「あさねえ……お菓子ないの……?」
「お姉ちゃんさん。わたしショートケーキ食べたいですー」

 姦しいその声に本を閉じて目を向けると、小さな少女たちが本屋の隅を完全に貸切って遊んでいる。
 いつからだっただろうか。私の静寂はこの侵略者たちによって完全に侵されてしまった。
 いや、"いつから"かはともかく、"どうして"かはわかる。
 彼女が連れてきたのだ。この小さな侵略者たちを。
 私は侵略者たちの中心にいる彼女を呼びつける。

「真昼さん。真昼さん」
「お姉ちゃん」

 私に呼ばれた真昼さん……私の妹、天崎真昼さんはゆっくりとこっちに歩いてくると私の座っている椅子の目の前の床に座る。
 ああ、床は汚いからあまり座らないでくださいといつも言っているのに。
 いや、そうではない。その話はまた今度にしよう。今はこの侵略者たちについて話すのだ。

「真昼さん、そのですね。友達を連れてくるなとは言いませんが、ええと」
「連れてきてない」
「いえ、その、子どもが苦手とか、嫌いとか、そういうわけではないのです。ただその、そういう時には、事前に連絡を入れてほしいといいますか」
「勝手についてきたの」
「あの、だからですね、決して、嫌がっているというわけではなく、その、相手の親御さんの事情もあるといいますか」
「お姉ちゃん聞いて」
「はい」

 怒られてしまいました。
 どうにもこういうとき何を言いたいのかまとめられずしどろもどろになってしまうのをなんとかしたいです。

「あたしがお使いにいってきたのはわかってるよね」
「あ、はい。というか、私が、頼みました。はい」
「その時の話なんだけど」



文章はここで途切れている・・・
この流れよりは、今の話の流れの方がよかったのではないかととりあえずは思っています

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